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第27回 ~今年の夏休み、海外旅行はお高くつく?の巻~(2013年6月20日)

そろそろ夏休みの旅行計画を立てよう!“アベノミクス”で景気が回復しているから、今年はどーんとヨーロッパ旅行なんてどうかな?

お兄ちゃん、ちょっと待ってよ。簡単にヨーロッパなんていうけど、いったい、いくらかかると思ってるの?航空運賃だけだってばかにならないわ。

えっへん。りみー、お兄ちゃんは調べたんだ!今夏のチケット代は安くなるかもしれないぞ。りみーは、航空運賃に上乗せされる「燃油サーチャージ」って聞いたことある?

聞いたことあるけれど、詳しくは知らないわ。

燃料価格が高騰したときに、航空会社が運賃の追加料金として上乗せする特別料金のことだよ。最近では、1~2月、3~4月、5~6月、7~8月、9~10月、11~12月と、年に6回も見直す会社が増えてきたよ。以前はだいたい3カ月ごとに見直されることが多かったんだ。原油価格の値動きが激しくなっているからだね。

でも、サーチャージって何を基準に決めているのかしら。

アジアでは、シンガポールでのケロシン価格が基準になっているよ。ケロシンっていうのは、航空機の燃料(ジェット燃料油)の原料のことで、現在のケロシン価格は、数か月先のサーチャージに反映される仕組みなんだ。夏休み真っ盛りの8月のサーチャージは、今年の4~5月のケロシン価格が反映されているってわけさ。

最近のケロシン価格ってどのくらいなの?

だいたい1バレル(159リットル)あたり120ドルくらいだね。下のグラフを見てごらん。去年の夏や今年の冬にはずいぶんと値段が高くなっているだろう。これは原油価格と同じような動きをしているんだ。高いときは1バレルあたり135ドルを超えているね。いまより15ドルも高いわけだ。

そうね。それだけ違えば、航空会社が購入する燃料代にも大きな違いが出るわね。だけれど、実際にはどれくらいがサーチャージとして運賃に加算されるのかしら?

たとえば、全日本空輸(ANA)のホームページによると、今年8~9月に日本~欧州線には、21,000円が加算されるんだ。行き先によってもずいぶんとサーチャージの金額は違っているね。いまごろ(6~7月)のケロシン価格は、今秋の10~11月のサーチャージに影響するんだね。

へ~。お兄ちゃん、旅行のことになると、いろいろと調べてくれるのね。だけど、肝心なこと忘れているわ。去年に比べて円安が大幅に進んでいるってことを。

あー!すっかり忘れていたぞ。やっぱり今年は近場の温泉にしておこう。

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(文:海外製品チーム 二川)
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