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第33回 真夏の8月~灯油の季節が始まった?の巻(2013年8月2日)

夏休みは楽しいな~。真夏のギラギラした太陽の下で思いっきり遊ぶぞ~

今年の8月は特に暑い日が多いみたいだから、夏好きのお兄ちゃんにとっては最高ね。だけど、お兄ちゃん、石油会社はすでに冬に向けて灯油の在庫を増やしているの知ってる?

え~。冬場の灯油?まだ夏休みは半分も終わってないんだぞ!寒い季節のことなんて考えたくないぞ

下のグラフを見て。年によっても違うけど、だいたい7月くらいから在庫の量が冬場に向かってどんどん増えているのがわかるでしょ。そして、ストーブを使い始める11~12月になると、その在庫が減り始めるのね

どのくらいの在庫が必要なのかな?

以前は、9月の終わりの時点で400万キロリットルがひとつの目安って言われていたらしいわ。だけど、オール電化住宅の人気が高まってきたりして、灯油の需要はどんどん減っているの。だから、最近では9月末でもせいぜい300万キロリットルくらいかしら

へ~、そうなんだ。グラフをみると、最近では2011年の在庫がちょっと多いね。

お兄ちゃん、いいところに目をつけたわね。2011年3月に東日本大震災が発生したでしょ。東京電力の福島第一原発の事故を受けて、全国の原子力発電所が次々に稼働できなくなってしまったから、「エアコンの利用が減って、冬場の灯油需要が高まる」っていう考えが強くなったのね。だから、石油会社は在庫をいつもの年より増やしたの

なるほど~。でも、翌年はまた在庫が減っているよね

実際は、震災のあった次の冬も、思ったほど灯油の需要は伸びなかったみたい。だから、翌年から在庫水準は再び減ってしまったのね

 ちょっと別のグラフを見て。これは政府の検討会(石油製品需要想定検討会)がまとめた資料なんだけど、灯油の需要はこれから毎年減っていくと予想されているの。2012年度(12年4月~13年3月)の灯油の実際の需要は約1,900万キロリットルだったんだけれど、5年後の17年度には、14.9%も減るって考えられているのね

なるほどね。需要見通しは示されているけれど、灯油の需要って、その冬の寒さに影響されるだろうから、必要な数量を見極めるのは難しいだろうね

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(文:海外製品チーム 二川)
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