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第49回 ~トロリーバスで温故知新!の巻 (2013年11月22日)

あらお兄ちゃん、お帰りなさーい。
朝からいないなと思ってたらどこへ行ってきたの?

ただいま~アメリカの西海岸にあるシアトルへふらっと行ってきたんだ。

え、ふらっと?
あなたはもはや世界がご近所なのね。

向こうのバスに乗ってみたんだけど、写真を見て!

あら?普通のバスじゃない。
これがどうしたの?

あれ、よく見ると電線があるんだけど・・
こっちの写真がわかりやすいかな?

Mark Kavanagh, (C) 1999-2010 all rights reserved

本当ね! バスなのに電車みたいなパンタグラフがついてるのね。

トロリーバス、と呼ばれている、動力が電気のバスだよ。

電気で動くといえば、水素や天然ガス、電池を搭載した電気自動車などが、環境に優しい乗り物として注目を浴びているわね。

そうさ!
実はトロリーバスは1800年代(エレクトロモートと呼ばれてる)からあるんだよ。
日本では1930年頃にバスとして実用化され、普及している。

へぇえ!昔からあるものなのね!路面電車みたい。

うん、当時のバス等は依然として出力性能が低く、頻繁な整備が必要だったんだ。
それで路面電車の技術を応用して対応できるトロリーバスが普及したのさ。

線路を引かなくて済むから、路面電車に比べて建設費も抑えられそうね。

うん。排気ガスも出さない、今から見てもクリーンな交通手段だったんだ。

素晴らしいわ!
でもなぜ、今は殆ど見当たらないの?

やっぱり、電線(架線)の問題が大きいんだ。
電車と違ってレールの上ではないけど、普通のバスに比べて運転する道が限られている。

自由度が小さいのね。
大きなバスだから狭い道では渋滞も起こしそうだし、電線を張り巡らせるのも、街の景観にいいとは言えないわね。

そうだね。
後に、大型バスの性能改善に伴って、トロリーバスは段々とその姿を消していった。 日本では今や黒部立山のトンネル内で走っているものが唯一あるだけだけなんだ。ここでは長いトンネルを走行するため、換気の点からトロリーバスが最適な手段とされている。

アメリカのシアトルのように、世界ではトロリーバスはまだ使われているの?

うん。トロリーバスも技術更新が進んでいるからなんだ。
電気モーターとディーゼルエンジンを2つ搭載したハイブリッドバスや長時間使用可能な電池技術が出てきてからは、トロリーバスにもその技術を応用したデュアルモード車が登場したんだ。
電線がなくてもある程度は電池または少量の燃料で走れるようになった。

つまり今まで言われていたトロリーバスの短所を解決したのね。

そうさ。
今後、トロリーバスという、一度は廃れそうになった交通手段が最新技術によって、身近でエコな交通手段として再び注目を浴びるかもしれないね。

楽しみね。
で、アメリカには誰と行ったの?次は私も連れてってよ!

はいはい

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(文:LPGチーム 高橋)
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地上に張り巡らされた電線から受け取る電気を動力としているバスは?

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