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第82回 (2019年12月11日)
先日、職場で使っているパソコンが壊れた。すぐに入れ替えてもらったものの、しばらくはしっくりこなかった。昨今、取材先とチャットでのやり取りも増えたため、そのアプリもダウンロードからやり直すことになった。
いまでこそ業務の大半はパソコンで済むが、実はアナログの作業も大切だ。デジタル情報も、一度はノートに書き取らないと今一つ整理がつかない。電話取材であれば、「この人は知っているけど、言えない情報なのかな」などと勘も働く。次の質問も生まれ、相手の話せる範囲でさらに興味深い話が聞けるかもしれない。デジタルとアナログを併用することでより多くの情報が得られると思う。
最近は全てスマホで用事が済むため、若者を中心にパソコンのキーボード操作が苦手な人がいるそうだ。また、パソコンの普及とともに、漢字がすっと思い浮かばないことも多い。私自身、手書きの時はなるべく漢字を使うよう心がけている。最新の技術一辺倒になってしまうと、何かの機会を逸している可能性がある。
環境問題はどうだろうか。対応が必要であることは論を待たないが、再生可能エネルギー一辺倒でいいのだろうか。2000年代初めは原子力ルネサンスが叫ばれ、原発が環境問題の切り札だったはずだ。その後、東日本大震災があり、原発の賛否は大きく左右に振りきっている。ショーペンハウエルは「世論は振り子の運動に従う」と言っている。極端に走らないところに解があるのかもしれない。
(深水)
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