第340回 (2026年3月25日)
中東における地政学的な緊張状態が全世界に波及している。2月28日、米国とイスラエルがイランを攻撃し、その報復としてイランはホルムズ海峡を事実上封鎖した。その結果、原油を積んだ船舶がホルムズ海峡を通過できなくなり、中東産油国からの輸出はほぼ停止状態に陥っている。
こうした事態が中東原油の依存度が高いアジアを中心に影響を及ぼし、世界経済を脅かしている。製油所は原油不足への懸念から稼働率を引き下げ、ガソリンやナフサ、ジェット燃料、軽油、重油など石油製品の生産減につながっている。原料のナフサ不足により石化製品の生産も滞っている。
輸送面でも、ガソリンや軽油、ジェット燃料、舶用燃料油の価格が上昇し、海上、陸上および航空のすべてにわたって深刻な影響が広がっている。
私の住むシンガポールでは、ガソリン価格が米国とイスラエルによるイラン攻撃前に1リットルあたり約2.90シンガポールドル(約348円)だったが、3月13日時点で3.40シンガポールドル(約408円)まで上昇した。
欧州旅行を計画した友人はンガポールからドバイ経由でパリ行きの航空券を予約したが、今回の中東情勢の影響で欠航になる可能性がある。せっかくの休暇を諦めざるを得ないかもしれない。
(チーセン)

