第332回 (2026年1月28日)
昨年の春ごろから、郊外にある自宅周辺で新築ラッシュが続いている。省エネ法改正前の駆け込み需要や、都内の賃貸需要増加による家賃バブルも着工を後押ししている面があると聞く。
散歩がてら入居間近のピカピカな新築住宅を眺めて回ると、灯油のホームタンクはほとんど見当たらない。築20年超の家には当たり前にホームタンクのあるエリアだが、昨今の流行にはそぐわないようだ。
2025年4月から住宅などの小規模建築でも義務化された、いわゆる省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)では、住宅の気密、断熱性能が重視される。同仕様の住宅では、開放式の石油ストーブ利用は推奨されない場合がほとんどだ。またソーラーパネルの普及により、エアコンは格段に手ごろな暖房設備になった。一方で灯油は、2026年の3月末で長く続いた補助金事業も終わる見込み。価格面でもアドバンテージがあるとは言い難い。
石油連盟が開催した年始の賀詞交歓会では、石油の強みは非常時の備蓄性だと叫ばれた。裏を返せば、日常的なエネルギーとしての立ち位置は変容しつつあるのかもしれない。日々の取材から、生活に紐づくエネルギーの変遷も丁寧に追いかけていこうと思う。
(栗原)

