中国=ベンゼンの市場動向
中国国内のベンゼン相場は6月まで堅調に推移した。供給にタイト感が強かった。華東地域の主要港のベンゼン在庫を見ると、1~2月までは5万トン程度だったものの、6月は2万トン以下と歴史的な低水準となった。また、3月以降は国内のベンゼン設備の定修が集中したため、国内の生産量が大幅に減少した。このため供給に引き締まり感が強く、6月まで相場は堅調に推移した。
主要な誘導品であるスチレンモノマー市場では、原料コスト高が続いた一方、需要に強さが見られないため、採算割れの状態が続いた。
先行きについては、原油市況に不透明感があるなか、ベンゼン設備の定修シーズンが終了しており、稼働率が上昇しつつある。このため供給が増えそう。また、中国でYulong石化の新規ベンゼン設備が10~12月期に立ち上げを予定しているほか、輸入品も増える傾向にある。このベンゼン設備が順調に稼働すれば、相場が軟調となる可能性がある。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.