EEX=23年12月期決算は増収増益、電力とガスの市場成長が追い風
日本で電力先物の取引プラットフォームを運営する、欧州エネルギー取引所(EEX)が25日に発表した2023年12月期決算は、主力商品の成長が追い風となり、増収増益となった。売上は5億7,560万ユーロ(949億7,400万円/換算レート:1ユーロ=165円)と、前年度の4億8,240 万ユーロ(795億9,600万円)から19%伸長。利払い前・税引き前利益(EBIT)も3億640万ユーロ(505億5,600万円)と、前年から28%拡大した。北米商品市場に加え、電力および天然ガス市場の成長が押し上げ要因となった。特に2023年度は80社を超える新規の取引参加があり、収益向上に大きく寄与した。
主力の電力取引では、デリバティブ市場の取引価格がウクライナ危機前の水準近辺まで急落したことが奏功し、2023年度の出来高が過去最高を記録。全市場にわたって売上が増加した。欧州電力デリバティブ市場は1億2,280万ユーロ(202億6,200万円)と、前年比52%急増。欧州スポット市場は同17%増の8,670万ユーロ(143億550万円)、米国商品市場は同23%増の3,970万ユーロ(65億5,050万円)となった。2023年度は出来高が約3倍増に膨らんだ結果、欧州デリバティブ市場におけるEEXのシェアは80%台後半から90%台に上昇し、日本電力デリバティブ市場のシェアに匹敵する水準に達した。
また、天然ガス事業の売上も、欧州ガスデリバティブ市場が前年比37%増の2,920万ユーロ(48億1,800万円)、ガススポット市場が同6%増の7,370万ユーロ(121億6,050万円)と、堅調な伸びを示した。GET Baltic社の株式の過半数を取得したことで、天然ガスの取り扱い地域を拡大。バルト海およびフィンランドの天然ガス市場を、既存の欧州ガス市場に統合することで、取引の利便性が高まった。
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