金融庁=炭素クレジット取引の検討会、初会合 ― インフラなど議論
金融庁は10日、「カーボン・クレジット取引に関する金融インフラのあり方等に係る検討会」(座長・根本直子早稲田大学教授)の第1回会合を開催した。炭素クレジットの取引インフラと市場慣行のあり方について議論し、取引の透明性と健全性、投資家保護の促進を図る。検討会は、(1)内外の炭素クレジット取引、(2)ブロックチェーン・トークン(分散型台帳を利用した暗号資産)など先進的技術の適切な活用、(3)炭素クレジットの登録簿や取引所などのインフラ、(4)対顧客・対投資家の取引、仲介、助言など取引慣行―のそれぞれについて実状とあり方を議論する予定。 発表によると、第1回の会合では、炭素クレジットの国内外の状況、証券監督者国際機構(IOSCO)の報告書の概要などについて事務局から説明などがあった。IOSCOは昨年12月に公表した報告書(案)で、ボランタリークレジット(民間主導の炭素クレジット)について、取引慣行の未確立、複数の取引インフラの併存、新技術が適切に利用されないことなどにより、市場が分断され、同一の炭素クレジットが二重計上されるなどといったリスクを指摘した。 検討会は、根本座長のほか企業や金融機関の実務家や有識者など合計12人で構成。経済産業省と環境省、日本証券業協会もオブザーバーとして参加する。経産省と環境省が共催する「GX実現に向けた排出量取引制度の検討に資する法的課題研究会」で議論する排出量取引制度の法的な論点については、金融庁の検討会では議題としない。
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