LNG=3月18~22日:高値で購入見送り相次ぐ
DES北東アジア相場は先週、期近着が一時9.85~10.15ドルで推移した。蘭天然ガス(TTF)市況の上昇や熱帯低気圧の発生で豪州出しの供給不安が強材料視されたためだ。ただ、急な上昇に、需要家の購入の見送りも相次いだ。 東南アジア向けの商いでは、タイ国営電力公社(EGAT)が18日に応札を締め切った、4月13~15日、4月16~18日、4月19~21日のいずれかに到着する1カーゴの買い付け入札をキャンセルした。EGATは20日応札の締め切りでも再入札を行ったが、これも結果が振るわなかったようだ。上述の着日が対象の買い付け入札は15日にも、割高感を理由に同着日が対象の買い付け入札をキャンセルされていた。同社はこれ以上入札を実施しても応札価格は下がらないとみて、タイ石油公社(PTT)からLNGを購入する方針に変更したとの見方が浮上している。 中国では夏場着の調達に関心を示す需要家がいるが、「北東アジア着相場が上昇基調を見せているため、しばらく様子見に徹するだろう」(中国需要家)と伝えられた。また、中国国営企業が今月下旬にパイプラインガスの価格改定を予定しており、価格が下方修正された場合、需要家はパイプラインガスを優先的に購入するとみられる。「パイプラインガスが安ければ、LNGをわざわざ国際市場で買い付けることはしない」(同)。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インド国営グジャラット州石油会社(GSPC)は19日応札の締め切りで、5月24~28日ダへジ基地(年間受入能力1,750万トン)着1カーゴの買い付け入札を開示していたが、落札されなかった。GSPCが入札で買い付けを見送るのは2回連続。最も安い応札が9.50ドルだったとされ、割高と感じたようだ。中東ではクウェート国営石油(KPC)が輸出拡大を検討するほど、同社の重油は国内市場で余剰気味になっているようだ。このなか、「当面、発電用のLNGに対する需要は期待薄」(日本企業)。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州での供給不安が高まっている。ノルウェーのアースタハンスティーン(Aasta Hansteen)ガス田で、コンプレッサーの不具合が発生。補修作業が3月25日まで予定されており、その間の生産が低下する見込み。
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