LNG=6月3~7日:値動き激しく
DES北東アジア相場は先週、期近着が11ドル台から13ドルを小幅下回るレンジで推移した。蘭TTF市況の乱高下を受け、価格変動が激しい週となった。このなか市場では、中国勢の売りが目立った。 ここへきて、中国のプレーヤーによる売りが増えている。5日の市場では、中国石油天然気(ペトロチャイナ)が計3カーゴを売り唱えた。売唱えの水準は7月中旬着を7月限の北東アジア着スポット市況に対して10セントのディスカウント。7月下旬着が7月限の同市況に対して15セントのプレミアム。8月上旬着が8月限の同市況に対して5セントのプレミアム。同国内では気温の上昇に伴い、天然ガスの需要は徐々に増加しているものの、「現時点では依然としてLNGに余剰玉が発生しており、これを転売しているのだろう」(日本企業)。また、同じく中国の需要家では、中国海洋石油(CNOOC)が3日に応札を締め切った入札で8月着を2カーゴ販売した。 一方、夏場の需要期を控えた購入の動きは続いている。東北電力は先週8月着カーゴを対象とした買付け入札を開示し、購入した。対象は8月19~27日に新潟あるいは仙台に到着するカーゴ。同社は基本的にショートポジションであり、女川原子力発電所2号機(出力82万5,000kW)の稼働再開が遅れていることもあって、スポット市場での購入の必要がある。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 中東エジプトでは、国内のガス供給が不足し、肥料会社が一時的にガスを使用できなくなっていたようだ。気温の上昇で冷房用の需要が強い一方、天然ガスの国内生産が落ち込んでいることが背景にある。
ノルウェーのスレイプナー(Sleipner)ガス田で3日、ガス田につながるパイプラインの亀裂を修繕するため、稼働が停止した。これに伴いニハムナ(Nyhamna)のガス処理施設も停止することになり、ノルウェーの天然ガス出荷が通常時より15%前後減少した。翌日4日、スレイプナー(Sleipner)ガス田およびニハムナ(Nyhamna)のガス処理施設は7日に稼働再開すると発表された。この間、TTF相場は大きく動いたが、「ロシア産天然ガスの供給停止懸念など地政学的リスクによる供給不安に対して、市場が神経質になっていることが反映されている」(Vanir Global Markets=James Whistler氏)との指摘が寄せられている
|
|