原油・コンデンセート=6月3~7日:アラムコ、7月AHのOSPを引き下げ
国営サウジアラムコは5日、サウジアラビア産各種の7月積みのOSPを確定して長期契約を結ぶ各社へ伝えた。このうちアラブヘビー原油(AH)およびアラブミディアム原油(AM)については、市場関係者の事前の引き上げ予想に反して、いずれもドバイ原油およびオマーン原油の平均値に対する水準を前月から40セント引き下げた。 AMおよびAHの7月積みOSPが前月比で引き下げられた背景について南アジアのエネルギー企業は、「AMとAHのOSPはここ数カ月、重油や他の競合する中重質油種の実質的な評価に比べて割高な水準に設定されており、長期契約者が引き取りを減らす傾向にあった。サウジアラムコがこの点を、7月積みのOSPで修正した」との見方を寄せた。 また、サウジアラムコがここ数カ月実施してきたAHとAMの供給削減を、7月積みから解除して供給量を増やす方針を取る可能性があるとの指摘も寄せられた。「供給を増やすにあたり、OSPを引き下げて買い気を促す必要があった」(シンガポールのトレーダー)。さらには、カナダ産のアクセスウェスタンブレンド原油(AWB)のアジア向けの供給が新たに始まるなど、ここへきてアジア向けとしてAHの競合油種の供給が増加傾向となっていることを受け、サウジアラムコがアジアの需要家に対して、AHの価格競争力を強める目的から、7月積みOSPを政策的に引き下げたとの見方も浮上した。ただ、AMとAHのOSPの7月積みのOSPが前月から引き下げられたものの、長期契約者に対する需要喚起がどの程度進むかは現時点では不透明となっている。
【アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ】 米国産原油のアジア向けの商いでは、韓国のGSカルテックスに続き、SKエナジーも9月着のWTIミッドランド原油を計200万バレル購入した。価格はCFRベースでドバイ市況に対して3.00ドル台前半のプレミアムだった。GSカルテックス向けの成約とほぼ同水準。また、米エクソンモービルも9月着のWTIミッドランド原油200万バレルを手当てした。価格の詳細は不明ながら、売り手はアラムコトレーディングだった。
【南方】 8月積みベトナム産の商いでは、ベトナム国営PVオイルがチムサオ原油の販売入札を開示した。ベトナム時間6月12日9時応札の締め切り、同17日18時応札の有効期限で実施されるこの入札の対象は、8月3~7日積みの1カーゴ30万バレル。
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