LNG=7月8~12日:関電と東北電がカーゴ購入
DES北東アジア相場は先週、期近着が一時11.30~11.60ドルで推移した。蘭天然ガス(TTF)市況の下落基調が続くなか、日本や韓国の需要家がスポット購入に動き始めた。しかし、これに対して供給は潤沢で「市場全体では力強さは感じられない」(日本企業)。 関西電力は10日に応札を締め切った入札で、8月26~28日着の1カーゴを購入した。東北電力は11日締め入札で8月25日~9月3日新潟着の1カーゴを購入した。韓国中部電力(KOMIPO)は7月17日応札締め切りの買い付け入札を開示した。 だが「現在進められている購入は、高めの気温が今後も続くという数日前の予報を根拠としたはず。ここへきて最高気温が前年を下回る水準まで低下するとの予報が出ている」(欧トレーダー)。一方、日本のガス会社におけるLNG需要は低調。給湯用のガス消費が鈍化しているため。 依然として中国のスポット購入への動きは低調。スポット相場が中国国内の天然ガス価格や陸上LNG価格に比べて高いことが要因だ。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 8月着の商談では、インド国営石油(IOC)が10日に買い付け入札の応札を締め切った。対象は8月17日着1カーゴだった。ただ、モンスーンでガスの内需が後退しているため、期近着カーゴに対する買い気は全体的に鈍いと市場関係者は指摘した。
欧州では冷房需要が低調だ。当初7月第2週の北西欧州の気温は例年並みか例年をやや上回る程度と予報されていたが、実際は度々例年を下回った。7月第3週もフランスやベルギーの日中の最高気温は26度程度の例年並みと予報されており、冷房需要が盛り上がる可能性は低い。また「パリオリンピックの開催によってガス需要が盛り上がるとは考え難い」(日本企業)との指摘が寄せられた。
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