LPG=8月26~30日:需給の緩みで極東着ブタンが軟化
CFR極東:
先週の極東着市場は、プロパンが買い気の高まり受け上昇した一方、ブタンは需給の緩みを受け軟化した。Rim Asia Indexは8月29日時点で、プロパンが660.75ドルと8月23日比5.50ドル高となった。ブタンは650.75ドルと同4.50ドル安。先週前半には、中国向けに買い戻し需要を抱えるトレーダー勢や中国プレーヤーがプロパン4万6,000トンの買い付けに動き、複数のカーゴが成約に至った。一時は売り手の減少が強材料視されたものの、週の後半になると売りものが増加。韓国輸入1社などが10月後半着のプロパン単体を販売打診した。ブタンは、石化向けの需要が弱い一方、米国産ブタン単体を抱える売り手が見えており、需給が緩んでいる。
FOB中東:
9月CPはプロパンが605ドル、ブタンが595ドルで確定した。プロパンは前月から15ドル、ブタンは同25ドルいずれも上昇した9月CPはおおむね市場予想どおり確定したが、中東積みの需給タイト感を受けて、9月CPは8月CPを上回ったとの見方が寄せられた。10月積みでは、すでに市場に売り手が見えている。プロパン/ブタン各2万2,000トンの売りアイデアは10月CP対比10ドル台のプレミアムで伝えられた。一方、中東産ガス社勢は現時点でアクセプタンスを通達しておらず、中東出しの供給状況は現時点では不透明だ。
日本国内:
京浜の陸上スポット市場では9月渡しの商談が始まった。プロパンは94,500~95,500円、ブタンは95,500~96,500円でそれぞれ商談が展開中。ENEOSグローブは来年に延期する予定だった川崎ターミナルの配管工事を9月に前倒しすると伝えられた。同社は9月10日から26日に工事を実施し、LPG出荷を停止する。一部の市場関係者は、この定修の前に元売りによるスポット販売が活発化するとみている。週の後半は、台風10号の影響で北九州の基地で出荷停止が相次いだ。