原油・コンデンセート=8月26~30日:リビア東部、不可抗力条項を発動
リビア産原油の商いでは、リビア東部政府が8月下旬、東リビア産原油の供給に対する不可抗力条項(フォースマジュール)を発動した。フォースマジュールは東リビアのすべての油田やターミナルに適用された。東部政府がリビアの中央銀行と石油収入をめぐり、西部政府と対立していることが背景にある。東リビアではサリール原油(Sarir)、ブアティフェル原油(Bu Attifel)、ブレガ原油(Brega)、アムナ原油(Amna)、エスシダー原油(Es Sider)など同国産の大半の主要な油種が生産されている。リビアでは東側の備蓄設備に入っている原油の供給は続いているものの、生産は徐々に減少しており、通常の半分以下にまで減少していると伝えられた。
【中東】 中東産コンデンセートの10月積み商いでは、カタール産のD.F.C.およびL.S.C.の供給余力が払底になる一方、サウジアラビア産の売り物が浮上した。国営サウジアラムコが10月積みのクフコンデンセートのスポット玉を抱え、一部プレーヤーに対して販売を打診し始めた。クフコンデンセートは、サウジアラビア東部で同国最大のガワール油田のクフ層から産出されるコンデンセート。同コンデンセートをガワール油田から積み地まで輸送するパイプラインで障害が発生していたことを受け、サウジアラムコがここのところ、供給を控えていた。しかし8月入り後には、設備障害が解消されたことで、サウジアラムコが販売を再開した。
【南方】 10月積み豪州産コンデンセートの商いでは、英シェルが10月末積みプレリュードの販売に動いた。ただ、積極的な買い手は見出しづらい商況となった。石油化学の精製マージンの低迷が続くなか、豪州産コンデンセートは相対的に割高感が強いことから、需要家の大半はスポット購入に慎重な姿勢を取った。
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