LNG=10月28日~11月1日:関電がスポット調達
DES北東アジア相場は先週、期近着が13.60ドル近辺で推移するなど週後半に下落した。蘭天然ガス(TTF)市況が、風力発電の増加などを背景に下落したことを受けた。 関西電力が10月29日に12月上旬着を買い付けた。価格は13.90~14.00ドルだったようだ。関電は美浜原子力発電所3号機(出力82万6,000kW)からの発電停止に伴い、代替燃料の確保が必要になっているためだ。ただ同社を除くと、日本の公益エネルギー企業はスポット市場での買い付けに関心が薄い様子。「日本勢は需要が発生すれば、価格に関係なくカーゴを買うだろう。いまはまだ気温動向を見守る段階」(欧トレーダー)。 豪ウッドサイドは31日、JERAに対するスカボロー(Scarborough)ガス田の権益15.1%分の販売を完了したと発表した。今年2月に交わした基本合意に基づく権益譲渡で、ウッドサイドは将来的にプルートプロジェクト(年産490万トン)あるいはプルート2プロジェクト(同500万トン)を通じて液化される年間120万トンのLNGをJERAに供給する。「JERAの上流権益確保は安定供給の意味でプラス」(日本企業)と歓迎する声が聞かれた一方、スカボローガス田の炭素排出量を懸念する市場関係者も散見された。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 クウェート石油公社(KPC)が買い付け入札を実施し、12月後半着を購入した。価格は13.50~13.70ドルだった。市場では「KPCは意外と高値で購入した」(日本企業)との指摘が漏れた。
欧州の風力発電の出力回復が見込まれている。英国では10月31日、発電量が11ギガワットまで上昇すると予測されている。短期間で風力発電の出力が回復したことで、発電用のガス需要は増加しないとの見方が大勢だ。また米ゴールドマンサックスが2025年のLNG価格は米大統領選でトランプ氏が当選した場合、需給緩和によって下振れるとの予想を発表したことも弱材料視された。ゴールドマンサックスの見立てでは、トランプ氏が大統領に就任することで米中の貿易摩擦が強まり、米国出しLNGの中国向け供給が減少する可能性がある。これによって世界のLNG供給に過剰感が生じるおそれがあるようだ。
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