LPG=12月2~6日:需給の緩みで極東着が軟調
CFR極東:
先週の極東着市場は需給緩和を受け弱含んだ。Rim Asia Indexは12月5日時点で、プロパンが616.50 ドルと11月29日比7.25ドル安、ブタンが606.50ドルと同17.25ドル安。ブタンの需給緩和感が強いことから、ブタンの相場はプロパンのそれを下回っているとの指摘がある。1月着の商談では、売り手が散見されている一方、日韓輸入業者やトレーダーによる買い気が低調だ。中国プレーヤーによる買い付けも限られており、プロパン脱水素プラント(PDH)プラントを操業する2社がスポット購入に動いた程度。プロパン2万3,000トンの商談では、1月前半千葉着ベースの売唱えは1月極東着市況対比フラット(6日時点で611ドルもしくは1月CP対比14ドルのディスカウントに相当)まで落ちている。
FOB中東:
1月CP予想はプロパンが625ドル前後、ブタンが600ドル前後で伝えられた。1月積みでは、供給に潤沢感がある。中東からターム玉を引き取る一部のプレーヤーはFOBベースでの転売に関心がありそうだ。さらに、カタール産ガス1社、クウェート産ガス1社およびアブダビ産ガス社の関連会社の中東トレーダー1社にスポット販売余地があるという。これに対して、買い気は弱く、中東トレーダー1社がプロパン/ブタン各2万2,000トンを物色している程度。この状況下、1月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンは1月CP対比14ドルのディスカウントで成約されたようだ。買い手は英メジャー1社とみられている。
日本国内:
12月渡しの商談が本格化した。京浜の陸上市況はプロパンが99,500~100,000円と前週比2,500円、ブタンが103,400~104,000円と同1,850円下落した。月初から売り込みが激しく、とりわけプロパンの下げが大きかった。決算を控えた一部元売りが在庫整理のための処分売りを推し進めた。これに別の元売りも追随し元売り間の販売競争が激化した。12月に入ってからも比較的気温が高い日が続いたため出荷が振るず、在庫水準が高かったようだ。また、元売りの1月の仕切り価格が12月対比で下がるとの見方が売りを後押しした面もある。海上市場では、九州エリアの都市ガス会社がブタン1隻分の買い付け入札を実施した。在庫を抱えた元売りが積極的に売り込んだようだ。落札価格が103,000円台を下回った可能性を指摘する向きもあったが、詳細は判然としなかった。