電力=1月6~10日:電力スポットは週後半に西高東低に、西日本で寒波
1月6~10日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、東日本(50Hz)が15円台半ば、西日本(60Hz)が14円台後半となった。ただ、週後半の9日および10日は西高東低となり、西日本で寒波が強まる見通しとなったこと受け、買い気が強まり、価格も押し上げられた。一部の市場関係者からは、「西日本ではピーク時間(8~20時)を固定化する動きが限定的のため、想定外に寒さが強まるとこの時間帯の買い気が強まりやすい。とくに需要が増え始める朝早い時間や、太陽光発電が減少する夕方以降で高値を付けやすくなっている」(新電力の市場取引担当マネージャー)との見方が示された。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、6日が2.31円、7日が1.84円、8日が1.34円の東高西低だったが、9日が0.76円、10日が0.66円の西高東低となった。
1月第2週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、1月9日時点で期近の25年2月着品がmmBtuあたり14ドルで推移した。欧州の天然ガス相場が軟調に推移したほか、北東アジア市場の需給緩和感は解消されず、相場は上値の重い展開が続いた。経済産業省が8日に公表した、1月5日時点の発電用LNGの在庫は187万トンとなり、前週から37万トン減少した。前年12月末時点の270万トン、過去5年平均の216万トンを大きく下回った。在庫が大きく減少した背景には、「年末年始でLNG船の入着が少なかったことが要因」(エネ庁関係者)だという。年明け以降は入着が増えているため、在庫不足の懸念はほぼないとみられる。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、9日時点の25年1月積みがトンあたり115ドル台後半となった。一般炭相場は、クリスマス休暇明け以降、軟調な展開が続いている。 原油相場は、1月10日午後時点でWTIの25年2月物がバレルあたり74ドル台半ば、ブレントの25年3月物が77ドル台半ばの水準。原油相場は年末から上昇基調が続いており、欧米で寒波が強まっている影響で暖房油などの需要が増えていることが強材料となっている。
週を通じた実勢高値は、9日に西日本6エリアで付けた28.00円となった。一方、実勢安値は10日に四国で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が15.53円、東北が15.27円、東京が15.42円、中部が15.83円、北陸が14.62円、関西と中国が14.60円、四国が12.94円、九州が13.52円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が11億9,422万3,280kWh、買い札が10億6,792万2,140kWhとなった。約定量の週間平均は、8億4,450万8,790kWhだった。
1月6~10日の9エリアの電力需要は、143億281万8,000kWhだった。曜日を合わせた前年の1月8~12日の需要実績は136億7,545万9,000kWhで、増加率は4.6%となった。
1月6~10日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
1月6~10日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
1月第3週の電力スポットは、第2週に比べ上値は重くなりそう。週初めは全国的に雲が多いものの、気温が高めに推移する見通しで、暖房需要も低下するとみられるため、価格にも波及するとみられる。週半ば以降は、北日本や北陸を除き晴れ間が広がるため、太陽光発電が増加するとみられ、日中価格の上値を抑える材料になるとみられる。ただ、週前半に比べて気温は低くなるため、朝早い時間や太陽光発電が減少する夕方以降は価格も底上げの動きになるとみられる。それでも高値では20円台を大きく上回るとの見方は限定的で、発電設備のトラブルなどがない限り、「東西ともにベースで15円前後では」(新電力の需給担当者)との声も聞かれている。
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