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第62回 ~石油業界の未来はオーストラリアが握っている?!の巻 (2014年4月9日)

今年のゴールデンウィークはオーストラリア旅行に行くよ! 南半球はこれから秋から冬に向かうところらしいけど、美しいビーチ、かわいいコアラとの出会い・・・いまから楽しみだな~

オーストラリアと言えば、この間、こんな記事を見つけたわ。「BPオーストラリアがブリスベンの製油所を2015年半ばまでに閉鎖」。よく調べてみると、オーストラリアでは製油所の閉鎖や売却のニュースが次々に出ているのね。BP以外にも、シェルやカルテックスといった世界的な石油会社が、製油所の閉鎖や売却を進めているって。

へー、製油所の閉鎖か。日本と同じ現象が起こっているんだね。ということは、オーストラリアも日本と同じように、人口が減って石油製品の需要が減っているんでしょ!

お兄ちゃんにしては、よく考えたわね! だけど、その見方はちょっと違うみたいよ。次のグラフを見て。これはBPが発表している統計なんだけど、オーストラリアの石油製品の消費量は2012年に日量101万9,000バレルで、10年前から20.7%増えているわ。逆に日本の消費量は12年に471万4,000バレルで、10年前からは12.0%も減っているの。

なるほど。日本と事情が違うってことはわかったよ。それじゃ、どうして製油所の閉鎖が続いているんだ?

理由はいろいろとあると思うけど、そのうちの1つは精製マージンが好転してない点にあるらしいの。精製マージンは簡単にいうと、原油を処理して石油製品を作ったとき、どのくらい利益が出るかってことね。原油価格の高止まりなどもあって、最近はなかなか精製マージンがよくならないから、BPとかシェルとか世界的な石油会社は製油所事業を縮小したり、一部の大規模製油所に機能を集約する戦略を進めているそうよ。

だけど、オーストラリア国内で石油製品を作らなくなったら、オーストラリアの人はどうやってガソリンや軽油を手に入れるのさ?

輸入に頼るしかないわね。実はオーストラリアのマーケットは、日本や韓国の石油会社にとってとても大事な輸出先なのよ。「日本国内の消費量が減っているいま、オーストラリアへの輸出は石油会社の重要な収益源」と見ている業界関係者もいるわ。

なるほどね。オーストラリアは日本の石油業界とも密接な関係があるんだな。ひょっとすると、旅行行ったときに乗るツアーバスも、日本から届いた燃料を使ってるかもしれないね!

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