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第65回 ~地熱資源は発電の切り札?~の巻 (2014年8月18日)

先日、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が、「八幡平地域(秋田・岩手)でヘリコプターによる地熱資源ポテンシャル調査を開始」っていうニュースリリースを発表していたわね
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地熱資源・・・なんか難しそうだなあ。でも、資源っていうことは何かに役立つものなんでしょ?

地熱は簡単に言うと、地表や地下深くにある蒸気、温水なんかのことを指すわ。

つまり地表や地下の温度が高くなっている場所を探すってことだな。でも、ヘリコプターで上空から地面を見るだけでそんなことがわかるのかな?

いくつかの方法があるようだけれど、最新の機器を使って、地下の岩石密度の分布を測定したり、岩石の電気抵抗分布を調べることで、地質構造とか高温の熱水や蒸気がどこにあるかなんてことがわかるらしいわ

いままでにもこんな調査は頻繁に行われていたのかな?

JOGMECによる今回の調査は2回目よ。調査期間は8月上旬~10月中旬で、1,000平方キロメートルくらいの地域を調査するそうよ。第1回目は九州の「くじゅう」および「霧島」が対象で、今年7月下旬~8月上旬にかけて約380平方キロメートルの範囲を調べたわ。

調査結果はどんなことに役立つんだろう?

地すべりや火山活動を予知することで災害対策に生かしたり、温泉資源を把握することにつながるわ。そして、エネルギーに関することでは、地熱発電の開発にもつながると考えられるわね。

地熱発電!発電といえば、石炭、液化天然ガス(LNG)、原油や重油を使った火力発電、いまは稼働停止になっている原子力発電、それに水力、太陽光、風力なんかがあるけれど、地熱発電っていうのはあまり聞いたことがないな。

JOGMECによると、全国には計17か所の地熱発電所があって、2012年12月時点の発電出力は515万メガワット。国内電力の0.3%をまかなっている計算よ。商業ベースとして国内で初めて建設された松川地熱発電所(岩手県八幡平市)は50年近い歴史があるわ。

なるほど~。そういえば昔、学校で、日本は火山国で地震が多いって習ったのを思い出したぞ。ということは、日本は地熱資源がたくさんあるってことだよね?

いいところに気づいたわね。日本は、米国、インドネシアに次いで世界第3位の地熱資源量を誇っているのよ。だけれど、これまでは必ずしも発電設備が充実しているわけではなかったのね。発電設備の容量でみると、米国、フィリピン、インドネシア、メキシコ・・と続いて日本は8番目の規模らしいわ。

せっかく資源がたくさんあるのに、それを生かし切れていないのはもったいないね。

そうね。地熱資源は地下の深いところにあったりして、それを開発するにはコストもずいぶんとかかるから、これまで十分に利用されてこなかった面があるわ。それに、地熱資源の多くが国立公園内にあって、自由に開発できないことも問題点として指摘されているわ。

なるほどね。だけれど、東日本大震災後、原子力発電所の稼働が止まり、エネルギーについて関心が高まっているいまだからこそ、地熱発電への期待も少しずつ高まっているんだね。今回の調査が地熱発電の発展につながると嬉しいね。

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