アジア石油製品=3月11~15日: ジェット燃料相場急上昇、日本から需要増で需給タイトに
ガソリン ノンオキシー品市況上昇、域外向け需要増の見通しで 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は台湾積み93RONや韓国積み91RON相場が上昇した。域外向けの需要が増える兆しが相場を押し上げた。アジアから米西海岸向けのアービトラージが開き、メキシコ向けの買い気が伝えられる。メキシコ国営石油会社(ぺメックス)が引き続き3月下旬積み品を物色しているようだ。米国で夏場のスペックに切り替えていることから、同国品も調達コストが上昇。そのうえ、パナマ運河の水位低下により、船の滞船とフレート上昇が起きているため、アジア品の調達メリットが浮上している。
ナフサ 4月後半着品、売り物過多気味に 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、日本市況に対しカーゴ到着30日前評価で18.50~19.50ドルのプレミアムとなった。市場では4月後半着玉を余らしている売り手もいたもよう。日本の石化1社は週後半、入札を通じて4月後半着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで同10ドル台中盤のプレミアムで購入したようだ。先物価格より割安な売唱えがあったといい、一部の売り手が玉を多く保有していたようだ。 5月前半着の買いも聞かれた。日本の石化1社は15日、入札を通じて5月1~10日着オープンスペック2万5,000トンをCFRベースで同10ドル未満のプレミアムで手当てしたようだ。45日前評価。ただ、多くの売り手が先物市況並みで唱えたようだ。5月前半着の需給環境はまだ判然としないため、市況の見通しは立てにくいと指摘された。
中間留分 中国4月積みは100万トン超の見通し 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は切り上がった。4月積みにおける中国や韓国積みの売り物は、3月と比較して減少する見通しだ。また、日本では複数石油会社が買い手に回っている。これらの状況から北東アジアの需給は瞬間的に引き締まっているようだ。このなか、韓国のSKエナジーが販売入札を通して4月8~10日積み30万バレルの販売入札を実施した。価格はシンガポール市況対比で60セント程度のディスカウントだった。 中国の栄盛石化は4月9~11日積みとしてMR船型1カーゴをFOBベースでシンガポール市況比40セント程度のディスカウントで販売した。市場関係者によると、このカーゴは引火点が高く硫黄分も低かったため、やや高めの水準で成約されたようだ。中国からの4月積みの輸出量について、複数市場関係者は100万トン以上と伝えている。3月は160~170万トン程度だったため、この水準からは減少する見通し。 日本積みの売り気は限定されている。各社は定期修理に向けてむしろ買いを試みている。一方、港のチャージ料の高さなどから、市況観については韓国積みよりもやや割安との声がある。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場は、需給引き締まり感を受け上昇した。韓国からは4月積みの販売が限定されている。0.05%S軽油の主な売り手であるGSカルテックスとSKエナジーは定期修理のため供給を抑える見通しだ。需要面では、ベトナム向けなどの引き合いは安定している。
重油 出光興産が3月後半クウェート積みを調達 韓国積み0.5%S重油の市況連動相場は横ばい。韓国石油会社による4月積みカーゴの商談は聞かれなかった。一方、クウェート石油(KPC)が入札を通じて販売した3月23~24日積み13万トンの0.5%S重油は、出光興産が落札したとの情報が聞かれた。価格はFOBベースでシンガポール市況に対し9.00ドルのディスカウントいう。出光はこのカーゴをシンガポールに持ち込み、その一部をさらに日本に仕向けるとみる関係者が見受けられた。同社は3月にグループの西部石油山口製油所の石油精製を完全に停止。また、東亜石油の京浜製油所水江工場(日量7万バレル)でも定修を実施。出物が少なくなっている。
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