アジア石油製品=8月26~30日:メキシコぺメックスが9月前半積みガソリンを調達
ガソリン メキシコ向けの買いが増加 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は横ばい。ただし、域外向けの買いが増え、相場は堅調な様子だ。欧米で9~10月の秋口に製油所の定修が集中しているなか、メキシコ国営石油会社(ぺメックス)がアジア品の調達を増やしている。同社は、これまでにシンガポール市場で9月前半積みとして92RONおよび95RONガソリンMR船型4~5カーゴを買い付けているという。8月積みの商談では、同社によるアジアでの調達数量はMR船型8カーゴに達すると言われる。アジアでは、ベトナムのペトロリメックスが9月10~16日と18~20日積みの95RONガソリンそれぞれMR船型の買い付け入札を実施した。一方、主要な輸出元であるペトロチャイナによる9月の輸出予定量は17万トンで、中国全体の輸出量は合計50万トン以下にとどまりそうだ。中国海洋石油(CNOOC)は9月では恵州煉化(日量44万バレル)出しの売りを見送る方針。東南アジアの需要が振るわず、ガソリンのクラックマージンが急速に縮小している。
ナフサ 10月前半日本着が4ドル弱のプレミアムで売買 10月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は下落した。売り気の強さを受けた。日本のレゾナックは29日、入札を通じて、10月前半着オープンスペック・ナフサ2万5,000トンをCFRベースで同4ドル弱のプレミアムで購入した。玉を余らせていたプレーヤーがいたと伝えられた。 中国・山東省で2024年末、万華化学の第2ナフサクラッカー(エチレン年産120万トン)と、裕龍石化(Shandong Yulong Petrochemical)のナフサクラッカー(同150万トン)が立ち上がる計画と伝えられた。万華化学は10月にプロパン脱水素装置(PDH)の立ち上げも予定している。詳細は不明だが、同社はすでに原料を調達したとの情報もある。
中間留分 0.001%S軽油の相場は軟化、韓国勢の売り気強く 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は切り上がった。買い気の増加を反映した。韓国のGSカルテックスは28日締めの入札を通して9月26~30日積みのMR船型1カーゴを販売した。日本の石油会社による買い気継続が相場上昇に寄与したとの指摘もある。一方、SKエナジーによる9月積みの追加販売は見られない。同社は9月17~19日積みを販売して以降、様子見の姿勢を維持している。S-オイルや現代オイルバンクは9月積みの販売を計画しておらず、10月以降に販売を進める方針だ。 BPは中国のバイオ燃料製造会社であるJiaao Enprotechとの間で投資契約を結んだ。同社傘下のLianyungang Jiaao Enproenergyの株式15%を取得することが目的だ。Lianyungang Jiaao Enproenergyは現在、中国東部の連雲港市に年産50万トンの持続可能な航空燃料(SAF)の工場を建設中で、2025年の完成を目指す。同工場では廃食油などを基材とするHEFA製法を用いる。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟調。韓国勢から在庫消化目的の売り気が多く出ており、相場の地合いは弱い。日本の元売りも定期修理の一巡を背景に9月積みからスポット市場での売りを再開しており、北東アジアでは供給が増えている。こうした状況のなか、韓国ではトレーダー1社がオンサン出しの9月21~25日積み0.001%MR船型1カーゴを販売した。またGSカルテックスも入札を通して9月26~30日積みの0.001%S軽油MR船型1カーゴの販売を進めた。
重油 供給引き締まりでLSFO市況が上昇 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は上昇した。供給引き締まり感の台頭を受けた。このところバンカー市場で需要がやや盛り上がっており、韓国の一部石油会社はカーゴによる低硫黄重油の輸出を見送り、バンカー向けの供給を増やしているという。また、いまのところ中東など域外からの低硫黄品の流入が多くないことも、アジア市況を押し上げる要因になっているようだ。
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