アジア石油製品=12月2~6日:韓国積み灯油市況上昇、日本の引き合い増
ガソリン オキシー品市況上昇、中国の売り少なく 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は軒並み上昇した。中国から輸出が減少する見通しで、オキシー品の市況が強含んだ。中国では石油会社による年内の輸出割当量が限られ、石油会社は12月積みの輸出を抑えている。同国で主要な輸出元である中国石油天然気(ペトロチャイナ)による輸出予定量は17万トン程度で、全体の輸出量は合計40万トン程度にとどまりそうだ。中国から12月の輸出が減少していることを背景に、フレートが下落している。韓国とシンガポール間のMR船型の運賃はバレルあたり1.60ドルで推移した。
ナフサ 小幅軟化、需給引き締まり感なく 1月後半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は軟調。需給に引き締まり感はなく、相場の上値は重たい。北東アジア域内の需要が盛り上がりを欠く。韓国の石化1社は現在、採算悪化を背景に一部の設備の停止を含む生産体制の見直しを検討しているという。同社は誘導品設備の停止を受け、12月に入りナフサクラッカーの稼働率を75%程度に引き下げたと伝えられた。日本でもナフサクラッカー1基が設備の問題により、70%前後の稼働率となっているようだ。 中国では2024年10~12月期に新規のナフサクラッカーが商業運転を始める予定だったが、立ち上げが延期されているクラッカーがあるほか、「新規のナフサクラッカー向けにナフサの輸入があったとの話は聞かれない」と市場関係者は伝えた。 一方で、欧州の製油所の定修シーズンが終わりつつあり、生産活動が再開しているという。市場関係者によると、欧州向けにアフリカ産の軽質原油が多く仕向けられている。
中間留分 ジェット燃料、0.001%S軽油は下落 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は下落。アジアから米西海岸向けアービトラージが縮小しており、米向けの引き合いが減少している。12月における日本の灯油代替の引き合いは一巡しつつあり、プレミアムは縮小傾向となっている。 一方で韓国積み灯油(SR船型)の市況連動相場は上昇した。日本は冬季の需要期に入っており、スポット玉への引き合いが増加。韓国勢の売唱えも上昇している。また、日本では北海道製油所(日量14万バレル)での装置不調を背景に、出光興産が12月積み北東アジア品などに強い買い気を示したとの情報もあり、これも相場下支えの一因となったようだ。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は供給増を受けて弱含んだ。足元で、中東やインド品が欧州へ販売できず、シンガポール方面へ流れている。欧州では製油所の定期修理がほぼ一巡し、供給力が回復した一方で、気温が上下を繰り返しており暖房用の軽油需要が盛り上がりを欠いている。直近では、トタールエナジーズがフランスで操業しているフェイザン製油所の定期修理が2日に終了した。 北東アジアの1月積み軽油の販売量は12月積みに比べて増加する見通し。中国で2025年の新しい輸出割当量が通達されるため。これに伴い、傭船需要も増加すると見込まれる。
重油 0.5%S市況下落、東南アジアからの売り気受け 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場は下落。需給緩和観測の台頭が弱材料となった。市場関係者によると、北東アジアのほか、東南アジアからもこのところ出物が増えつつあり、域内で余剰感が強まっている。ニソン・リファイナリー・ペトロケミカル(NSRP)が、12月16日積み3万7,000トンのストレートラン低硫黄重油の販売入札を実施した。市場関係者によると、同製油所がこのスペックの販売に動くのは珍しい。このほか東南アジアでは、マレーシア積みの低硫黄重油の販売も見受けられる。 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の商いで、韓国石油会社は、カーゴ輸出に比べて相場が堅調なバンカー市場向けに高硫黄品(HSFO)の供給を優先しているもよう。ただ、バンカー市場でもこのところ買い気がやや頭打ちになっており、HSFOのほか、ブレンディング基材の販売に苦慮するケースがあるという。 |