アジア石油製品=12月23~26日:中国政府、25年1回目の輸出割当量通知
ガソリン オキシー品市況弱含み、買い気の弱さが重石 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は弱含んだ。買い気の弱さが相場を下押した。トレーダー筋は手持ち玉が多いこと、中東など域外品が引き続きアジアへ流れ込んでいることなどを受け、シンガポールで在庫が積み上がっている。このため、トレーダー筋などは新たなカーゴの調達を抑えている。 日本では製油所の稼働率が高い一方で、ガソリンの需要は振るわない状況。このなか、元売りは余剰玉を輸出に振り向けている。1月積みでは、ENEOSと出光興産ともそれぞれMR船型3カーゴの販売を予定している。 中国政府は25日、来年の輸出割当量を石油各社に通達した(詳細はマーケットニュース参照)。このため1月の輸出量は12月より増える公算が大きい。
ナフサ 上値重たく、ナフサクラッカーの稼働低下響く 2月前半日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は横ばい。ただし、需要の弱さを受け、上値は重たい。韓国のロッテケミカルは23日、入札を通じて2月前半着オープンスペック2万5,000トンを少なくとも2カーゴ調達した。購入価格はCFRベースで同市況に対し、ヨウス着が1.50ドルのプレミアム、デサン着が2.25ドルのプレミアムだったようだ。 東南アジアで採算性の低下を背景に、ナフサクラッカーの稼働停止が続いている。韓国でもナフサクラッカーの稼働を引き下げた企業がある。フィリピンのJGサミットが近く、ナフサクラッカーの稼働を停止するもよう。 また、中国で2024年10~12月期に立ち上がった新規ナフサクラッカー向けにナフサの調達があったとの情報も聞かれないという。中国でナフサクラッカーの稼働率が上がり、石化製品の生産量が増加した場合、他国のナフサクラッカーの稼働が下がる可能性があり、アジア域内のナフサの消費量はそれほど増加しないと見込まれる。 ナフサと競合する原料のコンデンセートの商いでは、英シェルが引き続き、2月25日~3月1日積みノース・ウェスト・シェル・コンデンセート(NWSC)の売り先を探していた。市場関係者によると、需要家が割安なナフサを手当てした影響でNWSCへの買い気が後退したとみられる。
中間留分 全面安、販売量が増加 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は前週から下落。市場関係者は中国勢の売り気の高まりとインドからの販売の増加を受け、基調は弱気に振れやすいと指摘した。シンガポール先物市場におけるジェット燃料の相場は0.001%S軽油に比べて1.65ドルほど安い。市況連動相場を加味しても、北東アジア全域でジェット燃料の固定値は0.001%S軽油を下回った。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は需給緩和を受けて軟化。売り気が散見される一方、買い手は今後の中国品増加などを意識し手当てを急いでいない。日本や韓国の石油各社は中間品の高クラックを背景に精製、販売量を増やしている。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)の市況連動相場も切り下がった。インドネシアを含め、東南アジア向けの買い引き合いが落ち着いている。ジェット燃料の相場軟化もあり、高硫黄軽油の供給が増えやすい環境となっている。韓国のGSカルテックスは24日締めの販売入札を通して1月26~30日積みの0.05%S軽油30万バレル1カーゴをFOBベースでシンガポール市況(0.001%S)に対し、1.60~1.70ドル程度のディスカウントで販売した。
重油 HSFOの商談盛り上がり欠く 韓国積み3.5%S重油(MR船型、380cst)の市況連動相場はもち合った。新たな韓国積み高硫黄重油の商談は聞かれず。アジア域内では高硫黄品の需要低迷が続いている一方、スポット玉の数量が限られ、市況に変化はみられない。韓国石油会社は引き続きマージンの堅調なバンカー市場への供給を優先しているようだ。また、北東アジアでは複数製油所で火災などの影響で二次装置が停止し、重油の出物が増えるとの見通しがあるものの、「アジアのスポット市場にカーゴが流れてくるほどではない」(市場関係者)との見方が多いという。
マーケットニュース 複数の市場関係者によると、中国政府は25日午後、2025年の1回目の石油製品の輸出割当量を石油各社に通知した。 総量はガソリン、ジェット燃料、軽油が計1,900万トンで、昨年の1回目と同量。会社別では中国石油天然気(ペトロチャイナ)が580万トン(前年比2万トン増)、中国石油化工(シノペック)が754万トン(10万トン増)、中国海洋石油(CNOOC)が165万トン(5万トン減)、Sinochemが193万トン(13万トン減)、CNAFが6万トン(横ばい)、ZPCが167万トン(6万トン減)、NORICOが35万トン(12万トン増)。 低硫黄重油は総量が800万トン。会社別ではシノペックが382万トン(1万トン減)、ペトロチャイナが344万トン(3万トン増)、CNOOCが70万トン(2万トン増)、Sinochemが2万トン(横ばい)、ZPCが2万トン(4万トン減)。
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