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第64回 ~中東の石油製品事情、品不足解消で製油所建設の巻 (2014年6月25日)

サウジアラビアで新しい製油所の稼働が本格的になってきたって聞いたぞ。

SATORPのことね。サウジアラビアの国営サウジアラムコと石油メジャーのトタルが、合弁でジュベールに建設した製油所で、原油処理能力は日量40万バレルって聞いたわ。日本のどの製油所よりも規模が大きいのよ。最新設備を備えていて、欧米や日本の環境基準にも適合する石油製品が作れるんですって。


経済発展に伴って、中東諸国では石油製品の需要が急激に伸びているそうよ。不足気味なのはガソリンだけではなくて、軽油の調達も活発だわ。中東では夏場の冷房向け発電用として、軽油をたくさん使うんですって。世界最大の産油国であるサウジアラビアですら、アジア各地などから軽油をたくさん輸入しているのよ。日本の商社もその一端を担っているそうよ。

だけど、SATORPみたいに、中東では新しい製油所がいくつもできているよね。石油製品の輸入量はこれから減るんじゃないのかな?

いずれは減少することも考えられるけれど、当面はサウジアラビアを始めとする中東地域は、石油製品の主要な買い手と見られているわ。実際、サウジアラビアではさらに新しい製油所の建設や既存製油所の拡張なんかも計画されているのよ。

それだけ経済発展が著しいんだね。

いま、サッカーのワールドカップがブラジルで開かれているけど、8年後の2022年にはカタールでの開催が決まっているわ。原油価格の高騰が続いていて、中東産油国の経済発展を支えているのね。

それにしても、中東地域にとどまらず、中国とかベトナムとか、経済力をつけている国々は、国内に製油所を作って需要を満たそうとしているんだね。

そうね。だから、日本では逆に製油所がどんどん閉鎖されているっていうニュースを聞くと、なんだかさびしくなるわね。今年3月に出光興産の徳山製油所とかJX日鉱日石エネルギーの室蘭製油所が原油処理を停止したことで、日本国内の原油処理能力がとうとう日量400万バレルを下回ってしまったわ。

国内の石油製品需要が右肩下がりの現状では仕方のない判断だよね。

だけど、中東地域の経済発展は日本にとって明るい材料だってあるのよ。たとえば新しい製油所やプラントを建設する際、日本のプラント会社がプロジェクトに加わることも少なくないの。これまで培ってきた日本の技術が世界の舞台で生かされているのは誇らしいわ。
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