ホーム  > やさしいエネルギー講座

第68回 見直される石炭の力~ ~の巻(2016年10月19日)

ただいまー。りみー、しばらく顔を見ない間に随分と大人っぽくなったね!

お兄ちゃん!2年近くもどこに行っていたの?とっても心配していたのよ。「やさしいエネルギー講座」だって開店休業状態だったのよ。

ごめん、ごめん。2年近くの間、世界を旅してエネルギーのことをしっかりと学んできたんだ。これからその成果を「やさしいエネルギー講座」で披露していくからな。

それは楽しみだけど。。。ところでお兄ちゃん、どうして顔がそんなに真っ黒なの?なんだか煤けているみたいね

煤けている!そう、それだよ。実はね、りみー、お兄ちゃんは炭鉱からちょうど戻ってきたところなんだ。

炭鉱って、石炭が採れるところでしょ?一体、どうしてそんなところに?

僕たちはいままで、石油やガス、電力のことを随分と話してきたけど、大切なエネルギー源のひとつである石炭については全然触れてこなかったよね。『これはまずい!』と思って、にわか勉強だけど石炭のことも調べてみたんだ。

日本の一次エネルギーの構成比率で、石炭はいまでも全体の26.7%を占める重要な燃料よね(2014年=資源エネルギー庁まとめ。グラフ参照)。「石炭を燃やすともくもくと黒い煙が出て、環境に悪い」っていうイメージもあるけれど、私たちの暮らしになくてはならないものよね。


日本のエネルギー国内供給構成及び自給率の推移(出所:資源エネルギー庁)

2011年3月の東日本大震災の後、日本ではほとんど原子力発電所を使うことができなかったけれど、その穴を埋めたのが液化天然ガス(LNG)や石炭などによる火力発電だ。一次エネルギーとしてLNGや石炭が僕たちの生活を支えてくれたことが上の表からもよく分かるよね。最近では新しい石炭火力発電所の建設が決まったりして、石炭は今後も発電燃料の主役のひとつとして活躍していきそうだよ。

以前に本で読んだことがあるけれど、石油が採掘されるのは中東やロシア、北米など比較的偏った地域に限定されているけれど、石炭は広く世界に分布しているっていう特徴があるのよね。

りみー、良く知っているね。僕の今回の旅が2年近くになっちゃったのも、そうした地域を回ってきたことも一因なんだけど。。。でも、りみー、すべての石炭が発電用に適しているわけじゃないのは知っているかい?

え!そうなの?どんな石炭でも発電用に適していると思っていたわ!

石炭には、その生成過程に応じて名前が付けらているんだ。炭素を含んでいる割合によって、高い順に無煙炭(むえんたん)、瀝青炭(れきせいたん)、亜瀝青炭(あれきせいたん)、褐炭(かったん)と呼ばれているよ。
このうち、主に電力会社の発電用として使われているのが、瀝青炭や亜瀝青炭の中でも粘り気の少ないものなんだ。発電用やセメント製造に使う石炭を総称して「一般炭」とも呼んでいるよ。 おっと。石炭についてもっとうんちくを語りたいんだけど、、、その前にお風呂に入ってさっぱりしたいな。

石炭の話しがいろいろと聞けそうね。だけど、「やさしいエネルギー講座」だから、石炭の話しばかりに偏らないでね!その前にお風呂とご馳走ね!

このコーナーに対するご意見、ご質問は、リムゾー&リミーまで
電話 03-3552-2411
メール rimzo@rim-intelligence.co.jp
クイズに挑戦してみよう!
今回の
「やさしいエネルギー講座」
から出題!

日本の一次エネルギーの構成比率で、石炭が占める割合は?(2014年)

正解と思ったボタンを押してみよう。

エネルギーの知識をさらに深めたい人は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会の検定に挑戦してみよう!

https://www.energy-planner.jp

(リム情報開発は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会を応援しています)