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第73回 化学肥料は食料問題解決の立役者? ~の巻(2017年6月7日)

あら、お兄ちゃん、畑仕事にせいが出るわね。この間の田植えといい、最近は土に親しんでいるわね。

うん、自分で野菜を作ることで、食料問題の解決に貢献しようと思ってね。今、肥料をまいているところなんだ。

肥料って、作物にとって本当に大事らしいね。あるのとないのとじゃ、大違いって聞いたわ。

うん。世界の人口爆発が支えられているのは、この肥料のおかげでもあるんだよ。農業分野で1960年代から肥料の大量導入が始まり、世界の農作物の収穫量急増の大きな要因となったんだよ。その後、農作物の反収は2004年に2倍以上になったんだ。これって、すごいよね。

あ、それって確か、「緑の革命」ってやつね。

そのとおり。ただ、肥料のうち、たい肥などの、「有機肥料」は価格が高くて、生産量が少ないから、利用には限界があるんだ。だから、これまでの農作物増加に大きく影響したのは、石油によって生産される「化学肥料」なんだ。

え、化学肥料って、石油で作られるの!?

そう。正確には、天然ガスが主流なんだけどね。肥料生産にも石油由来のエネルギーが相当使われているんだ。米国では、農業用に使われるすべてのエネルギー消費量のうち、肥料が20%も占めているらしいよ。

ふむふむ…。面白そうね…ちょっとネットで詳しく調べてみようっと……。あ、本当だ。化学肥料って、大量の石油系エネルギーを使って出来ているって、いろんなサイトが説明しているわね。ただ、石油を「原料」にしているわけじゃなくて、「肥料の原料となるアンモニアの材料である窒素と水素のうち、水素を作るためにエネルギーが必要です」だって…なるほど、そうだったんだ!

そ、そうなんだよ、お、面白いだろう! …………。

お兄ちゃん、どうしたの?顔色悪いわよ。

そ、そう? なんでもないよ…。  (え、化学肥料って、石油が「材料」じゃなかったんだ…!? てっきり、石油が原材料だから同じ石油から出来ているガソリンも肥料になると思って、さっき畑に撒いてしまった…。こりゃ恥ずかしくてリミーには言えないな…)

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(文:橋本 )
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化学肥料とは異なり、植物などが分解されてできるたい肥などを総称して何と呼ぶ?

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