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第75回 石炭はどこからやってくる? ~の巻(2017年7月5日)

お兄ちゃん、そろそろ夏休みの旅行計画を立てる時期じゃない?

そうだね。実は、リミーに内緒で、もう旅先を決めちゃったんだ。リミーを驚かせようと思ってね。じゃーん、今年はオーストラリアに出かけよう!

えー、本当?私が一番行きたいと思っていたところじゃない。すてきなビーチでバカンスを満喫できそうね!

え?バカンス?僕たちが行くのは炭鉱だよ!リミーも、オーストラリアが世界有数の石炭産出国だってことぐらい知ってるだろ?

そのくらい知ってるわよ。国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、石炭の輸出量が多い国(2015年)はオーストラリア、インドネシア、ロシア・・・って、すっかりお兄ちゃんのペースで話が進んでいるじゃない!私はオーストラリアで最新モデルの水着に挑戦するんだからね!

さすがリミーだな。でも、日本の石炭輸入先が、オーストラリアとインドネシアだけで全体の80%を超えているって知っている?

え?そうなの?よく、原油の輸入先は中東地域が80%以上を占めていて、「もっと輸入先を多様化しないと」っていう話を聞くけれど、石炭も特定の国からたくさん買っているという事情は同じなのね。

そうなんだよ。しかも、日本に輸入される石炭価格の基準になるのは、オーストラリアのニューカッスルという港で船積みされる価格なんだ。たくさんの石炭がオーストラリアから日本に運ばれてくるのだから、価格の基準になるのももっともだね。

そういえば、今年の4月ころ、オーストラリアで炭鉱の広がる地域にサイクロンが直撃して石炭の採掘が滞り、国際的に石炭価格が上昇したというニュースを見たわ。

石炭や石油のような天然資源は、産地で自然災害や紛争が発生すると、価格に大きな影響が出るよね。天然資源が乏しい日本は、限られた国々から資源を調達するのではなく、いろいろな地域から輸入する努力が必要だね。

本当ね。なるべく選択肢を広げておいた方がいいのね。

石炭についていうと、南米コロンビアの石炭に注目が集まっているよ。コロンビアの石炭は、以前は米国がたくさん輸入していたけれど、最近はシェール革命の影響で輸入数量が激減しているらしいんだ。それにパナマ運河が2015年に拡張され、アジアへのルートが強化されたことも、アジアの輸入増にとって追い風になっているようだね。

天然資源は私たちの暮らしを支えているから、その確保は本当に重要なのね。

本当にそうだね。だからオーストラリアの炭鉱に行って、そのありがたみをあらためて確かめてこようね!

それとこれとは話が違うわ。絶対にゴールドコーストで泳ぐからね。

このコーナーに対するご意見、ご質問は、リムゾー&リミーまで
電話 03-3552-2411
メール rimzo@rim-intelligence.co.jp

(文:二川 )
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日本の石炭輸入価格の基準となっている、オーストラリアの石炭積み出し港は次のうちどれ?

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