ホーム  > やさしいエネルギー講座

第82回 資源ごみが行き場をなくす!?中国が輸入禁止へ ~の巻(2017年10月11日)

うわ。お兄ちゃん、何このごみは。

あ、リミー。資源ごみも、いい値段で転売できると聞いたから、家にたまっているごみを集めてみたんだ。

畑仕事に農作業、ついにごみの販売に手を出したのね。資源ごみをリサイクルして有効活用しようとするのは感心だけど、それも徒労に終わる可能性があるって知ってる?

そ、それは本当かい?

中国が資源ごみの輸入について段階的に禁止する方針を打ち出しているの。

確かに。最近の中国は環境対策にすごく力を入れているのに、世界中のごみを集めているだなんて、違和感あるよね。

そうなの。中国は資源ごみにおいては世界で最大の輸入国よ。その対象は非鉄金属、古紙、プラスチックなどさまざまな資源ごみに影響するとみられているのよ。

どうして、中国は世界のごみ回収業者のようなことをやっていたのだろう?

廃プラスチックや古紙から製品を作れば、新たに石油やパルプから製造するよりも安価で簡単だったから。リサイクル産業の成長が、中国の製造業の拡大を支えていたといっても過言じゃないわ。

でも、経済成長を遂げたいま、人々の関心が健康や環境に向かい始めている、と。毎年、冬になると中国のPM2.5のニュースをテレビでみかけるようにもなったよね。ごみによる環境汚染にも考えが及ぶのは自然なことだね。

そのとおり。中国は再生資源の輸入を禁止すると同時に、国内の再生資源をもっといっぱい回収しようとしているわ。これで困るのが、これまで中国に輸出していたひとたちね。ごみの再生を中国に依存してきた分、取扱いに苦労するわね。

欧州のプラスチック・リサイクルに関する業界団体が9月末には、中国へ輸出できなくなった廃棄されたプラスチックについて、収集、分類、リサイクルについて向上することで、中国に輸出せずに欧州で使いこなせるようにしなければならない、という声明を発表しているね。欧州のひとも中国へ輸出できなくなって困っているんだね。

日本も中国向けの資源ごみ輸出が停止したというニュースも出始めているわね。日本も世界も資源ごみの有効活用のために、どのような取り組みが可能か考えていかなければならないわね。

ところで、再生資源が買えなくなった分、中国の人たちは未使用品を買い始めるんじゃないか?それぞれの製品価格が上がる!いま買っておけば大儲け。ごみを回収している場合じゃない!

残念ね。この方針そのものが7月半ばに世界貿易機関(WTO)で宣言されていて、いろんな製品はすでに上げ相場が一段落しちゃってるわ。

も、もうけそこなった。そういう話はもっと早くいってよ。

このコーナーに対するご意見、ご質問は、リムゾー&リミーまで
電話 03-3552-2411
メール rimzo@rim-intelligence.co.jp

(文:北村 )
クイズに挑戦してみよう!
今回の
「やさしいエネルギー講座」から出題!

中国政府が、年内にプラスチックや紙などの一般廃棄物の輸入を停止すると通告した国際機関は?

正解と思ったボタンを押してみよう。

エネルギーの知識をさらに深めたい人は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会の検定に挑戦してみよう!

https://www.energy-planner.jp

(リム情報開発は、一般社団法人日本エネルギープランナー協会を応援しています)