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第83回 流行りの仮想通貨とエネルギーは無関係でない? ~の巻(2017年10月25日)

お兄ちゃん、どうしよう。今月はお買い物のし過ぎで、クレジットカードもデビットカードも使える金額が残ってないわ。

リミー、お金は計画的に使わなきゃだめだよ。仕方ない、ここはお兄ちゃんがビットコインで支払いをしてあげよう。

ビットコイン?いま話題の仮想通貨って呼ばれているものね。でも、仮想ってバーチャルってことよね、実体がないのにどうやって支払いをするの?

(携帯をレジの端末にかざして)ほら、これで決済完了だよ。どうだい、コインのやり取りが目に見えたかい?

ばかにしないでよ。それって電子決済ってことよね?それくらい私にも分かるわ。だけど、既にたくさんの人が使っている電子マネーと仮想通貨は、一体何が違うの?

代表的なものを言えば、「ブロックチェーン技術」という独特な技術を取り入れていることさ。複数のコンピューターにデータを分散して記録するんだ。データが分散されているから、外部からの改ざんが難しく、しかもシステムの構築や運用が安価になるというメリットがあるよ。暗号によって取引履歴を管理していて、セキュリティ性も高い次世代技術といえるね。金融業界だけではなく、多くの企業がこの技術に注目しているよ。

なるほど。でも、お兄ちゃん。ここはエネルギーの話をするっていう、暗黙の了解があることを知らないの?ビットコインとか、お兄ちゃんの趣味に付き合ってられないわ。

ちょっと待てよ、リミー。仮想通貨はエネルギーと無関係ではないんだよ。例えば今年7月末、中部電力はエネルギー分野にブロックチェーン技術を応用することを目的に、実証実験を行ったんだ。仮想通貨の取引所であるZaifを運営するテックビューロ社とインフォテリア社が共同で、実証実験に必要なプラットフォーム(製品名:mijin)を提供したのさ。まだ実験段階だけど、ブロックチェーン技術の有用性が認められた一例だね。

へぇ、エネルギー業界ともすでに無関係ではないのね。

それに、LPガス販売などの三ツ輪産業(東京)は、電力やガス価格の支払いをビットコインで決済するサービスを進めているんだ。仮想通貨との事業連携によって、耳目を集めている企業なども出てきているんだ。

ふーん、仮想通貨を取り扱うことで、自社のブランディングやマーケティングに生かしているところもあるのね。既に異業種の参入も相次いでいて、これからどういう展開になっていくのか、目が離せないわね。

確かに、仮想通貨は目に見えないけど、目が離せないね。

・・・私は、そんなお兄ちゃんから、目を背けたいわ。

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(文:横井 )
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