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第85回 ~ 雪冷房 ~の巻(2017年11月22日)

もう冬だ!寒~い。早起きしたくないな。

うさりん、何言ってるの!東京は太平洋側にあるんだから、まだ暖かい方だよ。北海道や東北だったら、どうやって暮らすのさ?寒さだけじゃなくて、雪だって大変だよ。

雪なんか降ったら一日中、家で昼寝さ。

君みたいな怠け者にとって雪は「邪魔者」だろうけど、「雪の力」を活用する人にとっては、雪は大切なエネルギーの元だよ!

え?「雪の力」ってどうやって活かせるの?

冬の間に貯蔵しておいた冷たい雪を使って夏場の冷房にするのさ。

なるほど!雪で部屋を冷やしたら、エアコンと違って室内が乾燥することもなくなるしね。電気代もかからないから一石二鳥じゃない!

そのとおり。

でも、冬のうちから雪を貯蔵し、夏まで保管するのは大変じゃない?室内に保管するとしたら、断熱材で遮断しなきゃいけないからコストが高そう!

確かに雪を貯蔵するためにかかるイニシャルコストは高いけれど、長く使えば使うほどコストが下がるんだ。それに二酸化炭素を排出しないから、地球にもやさしいよ。

ところで、雪で空気を冷やす方法って何種類くらいあるんだ?

北海道経済産業局のホームページには、次の3つが紹介されているよ。 1、 直接熱交換冷風循環式 2、 熱交換冷風循環式 3、 自然対流方式(雪室、氷室)熱交換冷風循環式

なんだか難しいな。簡単に説明してくれよ。

1は、空気を雪に直接接触させて冷却する方式。送風機を使って、雪をためている部屋と別の部屋の空気を強制的に循環させるんだ。2は、雪が融け出すときに生じる冷熱を熱交換器で空気と間接的に接触する方式。3は、特別な機械を使わず、冷気を自然に対流させるんだ。まだちょっと難しいかな・・・

いずれにしても大量の雪が必要だろ?日本では北海道くらいでしか実用化できないじゃない?

ところが、北海道以外でも山形県や青森県といった東北地方、さらに岐阜県と鳥取県にあるんだ。全国10道県で約140の雪と氷のエネルギー活用施設が導入されているよ。

すでに全国100カ所以上も導入されているのか。全然知らなかったな。

初期費用がかかるから、中規模以上のマンションや集合商業施設、学校などに向いているよ。非常に期待できる新エネルギーでしょ!

「雪の力」ってすごいんだな。雪を大切にしなくちゃ!

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(文:方 友明 )
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