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第86回 ~無線給電で世界が変わる! ~の巻(2017年12月6日)

欲しかったiPhone8をようやく手に入れたよ!

それってコンセントにつながなくても充電できるんですってね。

そうなんだ! 有線を使わなくても電気を送れる無線給電の技術が使われているよ。

すごいわね! だけど、無線給電ってそもそもどういう技術なのかしら?

いくつか種類がある。 最も一般的なのは「電磁誘導方式」。 並べられた2つのコイルの片方に電圧を加えると、他方のコイルに電力が発生する性質を利用しているんだ。iPhone8には、この方式が使われているよ。

わかったようなわからないような。。。 とにかく、2つコイルを近づければ送電できるわけね。だったら他にも色々なことに利用できそうね。

先月、変圧器などを製造してるダイキンが、電気自動車(EV)向けに無線給電装置を販売すると発表した。これにも電磁誘導方式が使われている。地上に設置したコイルの上に、もう一つのコイルを内蔵したEVを停めているだけで、給電ができるんだ。商業施設の駐車場などへの設置が見込まれているよ。

EVの普及に一役買いそうね。 他にはどんな種類があるのかしら?

「電波受信方式」というのがある。 これは送電側でいったん電気を電磁波に変換して送信し、受電側で電気に再変換して、電力として利用するんだ。電磁誘導方式よりも送電効率が悪いけど、長距離送電に適している。

すごいことができそうね!

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究開発部門などが、電波受信方式を利用した「宇宙太陽光発電システム」の研究を進めている。 宇宙空間に大規模な太陽パネルを設置し、電気を作り、電磁波の一種であるマイクロ波に変換し、地上のアンテナへ送信する。それを電気に再変換して使うんだ。

すごく壮大な計画ね!

太陽光発電は天候に左右されるため、不安定な電源と言われてきたけど、宇宙太陽光発電システムが実現すれば、安定的に電気を供給できるようになる。また、電力が必要な地域に柔軟に送電できるようになると期待されている。

この世から電線がなくなるかもしれない。 夢があるわね!

だけど課題もいくつか指摘されている。 発電設備の設置、維持費用を他のエネルギー源と競争できるくらい下げる必要がある。また、電磁波が人体に与える影響なども懸念されているよ。

なるほど! まだまだ実現には時間がかかりそうね。

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(文:須藤 )
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