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第96回 JCC予想って? ~の巻(2018年4月25日)

最近、JCC予想っていう言葉を聞いたよ。いったい、何を予想するんだい?

まずJCCっていう言葉だけれど、これはジャパン・クルード・カクテルのこと。1カ月の間に、日本に輸入されるすべての原油の平均価格を指すのよ。原油のCIF(Cost Insurance and Freight)価格とも呼ばれているよ。

カクテルか。なんか甘くておいしそうな名前だな。話しを戻すと、つまりは原油の輸入平均価格を当てるわけだね。だけど、原油価格って、需要と供給、地政学リスク、天変地異・・・といろいろな要素で毎日変わるだろ?日本に輸入される価格を予想することなんてできるの?

うさりんも知ってのとおり、日本は使用する原油のほぼ100%を輸入しているでしょ。中でも中東諸国の比率が85~90%を占めていて、さらにいうとサウジアラビア産の主力3油種が30~35%に達するのよ。この傾向を利用して、この3油種がサウジアラビアで船積みされたときの価格をベースに、日本に到着する時点の価格を予想するってわけね。

なるほど!中東から日本に原油を運ぶには、だいたい1カ月前後かかるよね。つまり、中東の船積み価格をもとに考えると、1カ月後の価格も予想が付くわけだ。だけど、船積み時の3油種の値段はどうやって決めるの?

それを考えるのがJCC予想値を出している、リム情報開発の腕の見せどころね。リムは原油や石油製品価格のアセスメントを30年以上も手掛けてきたから、季節要因や経済状況などを手掛かりにして予想を立てているのよ。JCC予想の担当者は、原油、石油製品、液化天然ガス市場のスペシャリストぞろいだって聞いたことがあるわ。

JCC予想の正確性はどのくらいなの?

そうはいっても、未来の価格を予想するのは簡単ではないわ。実際、最終的な確定値を財務省が発表するまでには、リムも予想値を3回修正するのよ。修正を出すに従って、確定値に近づいていくのよ。

だけど、どうしてたくさんの人がJCC予想に注目しているのかな。

日本の電力会社やガス会社は、液化天然ガスの長期契約価格をJCCをベースに決めているし、メーカーや運送業者の中にも、燃料の取引価格の基準としてJCCを活用しているのよ。だからJCCの見通しは、こうした業界の人たちにとっては重要な数字ってわけ。

それは知らなかったな。これからは海外の原油価格の動きだけではなく、JCC予想にも注目だね。

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(文:二川 )
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リム情報開発がJCC予想値を算出する際に価格を使用する、サウジアラビア産主力3油種の輸入量は、日本の原油輸入量全体のどのくらいの比率を占める?

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