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第101回 ~セルロースナノファイバーは日本のエネルギー問題を解決する!? ~の巻(2018年7月11日)

サッカーワールドカップ、日本代表の試合には感動したね!最後は、僕も燃え尽き症候群になっちゃったよ・・・

そんなうさりんに、元気が出る話をしてあげるよ。燃え・・・ると言ったら、”木”だよね。今回は、木など植物の構造の骨格を成している基本物質“セルロース”の話さ。

なにそれ、美味しいの?じゃなくて、全然元気出ないじゃないか、そんな話。

じゃあ、うさりんの大好きなサッカー日本代表で”半端ない”活躍をした、大迫選手や乾選手が履いていたスパイク、この製造元であるアシックス社のシューズと関係がある話っていえば、興味を持つかい?

かめりん、半端ないって、もう。そんなのできる?

新聞や、全部、新聞・・・じゃないけど、最近ニュースや発表があって、注目されているのが、さっきのセルロースをほどいて再構成した繊維材料の”セルロースナノファイバー”なんだけど、これの何がすごいかって言うと、鋼鉄に対する強度は5倍、重さは5分の1なんだ。その素材が、アシックス社製ランニングシューズのミッドソール部分の原材料に採用されたと、6月に発表があったんだよ。

かめりん、後ろから来たボール、めっちゃトラップするやん。

うさりん、少しサッカーの話はトラップしておこう(笑)とにかく、このセルロースナノファイバーは、熱にも強く、プラスチックよりもさらに軽くて、透明にもなり得る素材なんだよ。

へえ、透明にも?

そう、構造がナノメートルレベルだからできるんだ。青や赤といった可視光の波長は400~800ナノメートル程度なのに対して、セルロースナノファイバーの直径は4~20ナノメートルほどしかない。だから可視光の波はセルロースナノファイバーで散乱せずに透過してしまうために透明な状態を保てるんだよ。将来的にはガラスの代替素材にもなったら、用途はさらに広がるね。ただ、コストや耐久性にはまだ課題があるようだけど。

なるほど、でもそのような機能性素材は他にもあるんだろ?なぜ、セルロースナノファイバーに着目するんだよ?

それは、まさにそのセルロースがあらゆる植物の木質や茎、皮などに原料として存在するからなんだ。このようないわゆるバイオマス原料の地球上に存在する総量は、1970年、米国USDAのR.H.Whittakerが発表した有名なデータでは1兆8,000億トンといわれている。2017年BP社発表では、世界の原油確認埋蔵量は1,696.6億バレル(2,426億トン換算)だから、原油埋蔵量の7倍以上にもなる計算だ。日本は国土の約7 割が森林で、コストも炭素繊維(カーボンファイバー)の6分の1程度、自動車から家電製品まであらゆる工業製品の材料になる可能性を秘めていると考えれば、すごく夢がある話じゃない?

う、うん、そうだね。

どうしたんだい、うさりん?急に元気がなくなって。

いや、夢を見ると、敗れたときのショックが大きいからね・・・

あ、まだワールドカップロスだったんだ・・・うさりん、半端ないって。

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(文:横井 )
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