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第104回 ~猛暑でガソリンが膨張!? ~の巻(2018年8月22日)

お盆も明けて、ひところの酷暑がだいぶ和らいだ感じがするね。

そうだね。今年の夏はとにかく暑さがきつくてたまらなかったから、ついに日傘デビューしたよ。「日傘男子」の仲間入りさ。

あら、それはいいことだわ。熱中症になったら大変だものね。 ところで、うさりんは猛暑はガソリンの卸業者にとっては、喜ばしいことだって知ってた?

もちろん知っているさ。車内に冷房をガンガンかけるから、自動車の燃費が落ちて、ガソリンの消費につながるってんだろ?

それだけじゃないの。実はガソリンって気温が上がると、膨張して体積が増えるのよ。石油タンクの在庫のかさが増した分、丸儲けできるってわけ。

なんだって!?そいつは知らなかった!どれくらい増えるんだい?

「元の体積×温度差×体膨張率」で計算することができる。「体膨張率」というのは、物質に熱を加えたときの体積の増加率のこと。ガソリンの体膨張率は「0.00135」だから、これで計算すれば、気温の上昇によってガソリンがどれだけ増えるかが分かるよ。

なんか難しいな…

たとえば、気温25度のときにガソリンを500kl石油タンクに在庫したとするよね。その後、気温が35度まで上昇したとすると、「500kl×(35-25)度×0.00135」で「6.75kl」在庫が増えたことになる。

なるほど。仮にその間にガソリンの卸価格が50,000円/klのまま変わらず推移したとすると、「50,000円×6.75kl」となるから、何もしないで約34万円儲かるわけだ。元の在庫の量が多ければ多いほど、儲けが膨らんでいくんだね。

その通り!

でも待てよ。気温が下がった場合には、ガソリンの在庫が収縮して、逆に損してしまうんじゃないか?

さすが、うさりん、察しがいいね!そうなんだ。だから石油タンク業者は気温が上がる前に在庫を積み増して、気温が下がる前に減らしていくといったオペレーションが必要になるみたいだよ。

それも卸価格の推移との兼ね合いになるだろうから、タンクオペレーションってなかなか大変そうだね。

うん、そうだね。 ところで、うさりんはお盆休みにどこかに出掛けたの?

僕は軽井沢の別荘で過ごして、昨日東京に帰ってきたばかりさ。…しまった!これから涼しくなり始めるというのに、帰りに家の近くのガソリンスタンドで自動車を満タンにしてしまった!

自家用車の満タンの量なんてタカが知れているから、そんなに気にしなくてもいいと思うけど…

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(文:須藤 )
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