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第111回 ~地球温暖化を食い止めろ? ~の巻(2018年11月28日)

今年は北海道の初雪が11月中旬にずれこんだとか、台風がいくつも日本に上陸したとか、「異常気象」に関するニュースが多いわね。そのたびに地球温暖化が原因だって言われるけど、本当なのかしら。

異常気象の原因が本当に地球温暖化にあるのか、100%特定するのは難しそうだね。だけど、少なくともその疑いがあるのだから、世界各国で対策が必要だよね。ところで、かめりんは、「パリ協定」っていう言葉を聞いたことある?

地球温暖化問題の解決を目指し、2015年に策定された国際的な取り組みのことね。

そのとおり。その中で、日本は2030年までに、2013年比で温室効果ガス排出量を26%削減するという目標を立てているね。

今年7月に政府が決定した第5次エネルギー基本計画で、二酸化炭素を排出しない原子力は、重要なベースロード電源として位置付けられたけれど、実際に稼働している原子炉は9基(11月28日時点)だけよね。液化天然ガス(LNG)や石炭など、(二酸化炭素の排出量が多い)火力発電所に頼っている部分が多いから、目標の達成は簡単じゃなさそうね。

しかも、パリ協定で各国が表明した目標を守るだけでは、地球温暖化を十分に食い止めることができないと言われているんだ。いまのままだと、産業革命以前と比べて、地球の平均気温が3度以上も上昇してしまうという試算もあるようだね。だから、12月2日からポーランドで始まる国連の気候変動に関する会議(COP24)では、まず実際にどうやって目標を実現していくかのルールづくりをしたうえ、国別目標の引き上げも話し合うことになっているんだ。

ただでさえ実現が難しい目標を、さらに高くするのね。そんなことできるのかしら。

発電に関して言えば、日本では原子炉の稼働を増やすとか、再生可能エネルギーの比率を高めるとか、いくつかの選択肢が考えられるけど、それぞれ問題があって簡単には行きそうもない。

原子力発電所について言えば、福島第一原子力発電所の事故以降、安全対策がこれまで以上に厳しく問われているわね。

二酸化炭素を含む温室効果ガスを排出しているのは電力会社だけじゃないってことも、忘れちゃいけないね。製造部門、輸送部門、家計部門などあらゆる部門で排出量を削減しないと、当初の目標でさえ実現は難しいと言えるよ。

なんだか気が遠くなるわね。でも、まずは一人ひとりが当事者意識をもって、小さいことからでも取り組まなきゃ。COP24にも注目ね。私は必ず達成できると信じているわ!

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(文:方 友明 )
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