やさしいエネルギー講座
第113回 ~太陽光発電、今度は宇宙進出? ~の巻(2019年1月9日)
正月も過ぎたのに例年に比べると暖かいわね。これも温暖化ってことかしら?
そう言えば、去年の夏も酷暑だったね。本当に暑かったなぁ~。「命にかかわる危険な暑さ」という言葉をたくさん耳にした夏だったね!
新聞やテレビでも地球温暖化について報道されてるでしょう。地球温暖化への対策(緩和策)のために、世界各国の取り組みが始まっているのよ。
知ってる。我が国も「2050年までに温室効果ガスを80%削減する」という高い目標を掲げているよね。
うん。その目標を達成するために、「エネルギー転換」を図り、「脱炭素化」へ具体的な対策を実施、検討しているよね。長期的の将来に向けて温暖化防止のための次世代の技術開発も進めているしね~
次世代の技術って?
「次世代原子炉」、「水素の活用」、「CCS(炭素回収貯留)付きバイオエネルギー(BECCS)」などいろいろあるけど、その中で「宇宙太陽光発電システム(SSPS)」って聞いたことがない?
あ~詳しくはないけど、確か宇宙空間に浮かべた太陽光パネルで発電して、それをマイクロ波と呼ぶ電気に変えて地球に送電するという仕組みなんだっけ。すごいこと考えるよね!
なんだ!知ってるじゃない!地上の太陽光発電は雨の日や夜が難点だけど、宇宙では天候や昼夜を選ばないから24時間発電することができるのよ。さらに二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しないから温暖化対策にも役立つと期待されているわ。
それこそ「宇宙に浮かぶ発電所」だね。
そう。今の太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱等の再生可能エネルギーが直面している気候変動、環境、自然災害等の課題を解決できるシステムと期待されているんだ。
いいことばっかりだね。
但し、SSPSの実現には安全面、経済面、技術面など多くの課題が残っているんだ。
えっ?そうなの?
安全面では効率的で安全な発送電、受電ができるかの問題、技術面では軌道上での長期間の運用、補修ができるかの問題もあるし、さらに経済面では何と言ってもやっぱりコストの問題だね。
そっか。地上で発電するより難しそうだね。でも「技術大国日本」に生まれたものとして、目の前のいろんな困難を乗り越えて、是非「宇宙太陽光発電」を成功させてほしいね。
うん。期待しよう!
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(文:林 志穂 )
「やさしいエネルギー講座」から出題!
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