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第115回 ~力を合わせてごみ削減! ~の巻(2019年2月6日)

かめりん、どうしたの? 泣いているの?

あ、うさりん、そうじゃないの、ちょっと感動していたの。

いったい何に感動していたというのさ。

わたしたちの訴えが、届いたかどうかはわからないけれど、ひとはごみ問題に本腰を入れ始めているの。

いままでに僕たちは、国や地域がごみの削減に向けていろいろな法律を作ってきたことを学んできたよね。

そう。前回も日本でレジ袋の有料化が議論されていることを学んだわ。エネルギー講座のはずなのに、ごみ問題が続いちゃったわね。

それは、大人の事情……、というのは置いといて。個別の企業でも、プラスチックごみの代表格ともいえるストローを、お店での提供をやめたり、別の素材にするという取り組みもあった。

そうした取り組みはもちろん大事だけれど、それぞれが断片的で単発的にすぎなかったわ。1月16日にはプラスチックごみ問題の解決に向けた世界的な基金「AEPW(Alliance to End Plastic Waste)」が発足したの。

そのニュースみたよ。日本からは三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学が参加するんだよね。

そうなの。世界からも石油や石油化学企業を中心に参加が進んでいるけれど、大手消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が、プラスチックを利用する立場の企業として参加するわ。

なるほど。でも、最終消費財のメーカーの分野としては、さらにいろいろな業種から参加してもらえるといいね。ただ、中国の企業が参加していないのは気になるね。

参加企業が資金を負担し合うから、ハードルが高いのかもしれないね。それでも、エネルギーや素材産業と最終消費財と各分野のメーカーが、企業の垣根を越えて、みんなで協力し合うために話し合おう、そういう姿勢を見せ始めたのは褒めてあげてもいいわね。

なんとなく上から目線。日本では「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」も発足に至ったね。国内で159社・団体(1月11日時点)が参加する。参加数をみると、AEPWより多くの人がすでに賛意を示している。化学業界5団体が設立した、海洋プラスチック問題に対応するための「海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)」なんかもあるね。

日本国内でも同様の取り組みが本格化しているわ。最初はいろいろ試行錯誤もあると思う。でもね、営利企業がそれぞれに金銭面も含めて負担をして、問題に取り組もうという姿勢を示したことの意味が大きいと思うの。

そのなかで生まれた新しい環境技術が製品や企業の価値を高め、消費者がそうしたメーカーの製品を好んで購入する。そして、プラスチックのごみが減ったり、再利用、再生されたりする。そんな社会になれば、もっと多くの企業がこうした取り組みに参加して、時代に乗り遅れないように頑張るようになるね。

そうなれば、わたしたちにとって、より生活しやすい環境になるかもしれない。

彼らの取り組みに期待しながら見届けよう!

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(文:北村 )
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