第128回 ~重油の種類って? ~の巻(2019年8月14日)
うさりん、重油って知っている?
もちろん知っているよ。原油を精製して作られる石油製品のうち、ガソリン、灯油、軽油などよりドロっとした黒い石油だよね。
その通り。ガソリンなどの石油製品を作ったあとに残る石油だから「残油」とも呼ばれているの。
ぼくたち一般の消費者にはあまり馴染みがないけど、船の燃料なんかに使われるんだよね。
そう。だけど、重油は重油でもいくつかの種類があるって知っていた?
「A重油」とか、「C重油」とかって名前は聞いたことあるけど、その辺はあまり詳しくないな。
日本が定めるJIS規格では、物質の粘り気の度合や、含まれる硫黄分(サルファー)によって、重油がいくつかに分類されているの。
何か難しいな。もう少し詳しく教えて。
簡単に言うと、重油のうち、粘り気が弱いものを「1種」、強いものを「3種」としている。1種は「A重油」、3種は「C重油」と呼ばれているのよ。
なるほどね!硫黄分というのは、どういうこと?
例えば、1種のうちで、含まれる硫黄分が0.5%以下のものは「1号」、2%以下のものは「2号」とさらに細かく分類されている。1種1号を「ローサルファーA重油(LSA重油)」、1種2号を「ハイサルファーA重油(HSA重油)」と呼ぶこともあるの。
そういうことだったのか。ところで、重油はどんな用途に使われているの?
A重油は、小型漁船のディーゼルエンジンや、中小工場のボイラーに使われているよ。一方、C重油は発電や、大型船舶用ディーゼルエンジンに使われている。
どうして用途が異なるの?
C重油は粘り気が強いから使う際に余熱が必要だったりして、燃料に使うのに手間がかかるんだけど、一般的に他の燃料より価格が安いの。だから、大量に燃料を使用する需要家が使うことが多いんだよ。
なるほどね。ところで、A重油とC重油があるってことは、「B重油」もあるの?
一応、JIS規格では、1種のA重油と3種のC重油との中間的な性質を持つ重油として、2種が定められている。これがB重油と呼ばれているの。窯業炉用燃料なんかに使用されていたみたいだけど、C重油の普及で最近では需要がほとんどなくなっていて、生産もあまりされていないみたい。
へぇー!なかなか面白いね!ありがとう、うさりん。とても勉強になったよ!
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(文:須藤 )
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