記者の眼記者の眼

第243回 (2024年5月1日)

 リムに入社して何年か経ちもう社内で若手なんて呼ばれず、世間でも「若い」年代に入らない部類になってきた。大人になればもう少し落ち着きがあり、冷静に世の中を俯瞰し、余裕を持てる人間になれると幼い頃は夢見ていたのだが・・。現状は甘くはなく、精神年齢と肉体年齢の乖離が進み、日々を憂うことが多くなってきた。そもそも、大人って何歳から大人なのか自問自答を繰り返す日々。念のため注釈として、日本の成人年齢は民法で18歳と定められている。

 

 記者をしていると、多角的な視点を持ち、真実を端的に正しく伝えることを訓練されている気がする。ニュースを見ても、この事象はどの業界にどう影響するのかと、自然と考えを巡らせられるようになっている。例えば、世界最大の台湾積体電路製造(TSMC)が、熊本県菊陽町に大型半導体製造工場を建設。半導体その物の輸出入、部品の運搬、装置の輸送など、人とモノの移動がダイナミックになっている。すると、コンテナ船やRORO船の寄港が増え、バンカー需要も増えるのではないか?と、他業界の動きを舶用燃料業界と関係づけてみるようになる。

 

 強がりではないが、実は歳を重ねることに一番楽しみなのは自分である。異業種間の関連性に気付けるような知識が増え、仕事や趣味のやりがいを見出せる多様な経験は貴重だ。飲み会で蓄えたエネルギー(皮下脂肪)を明日への活力に変え、憂うことも笑顔で流しながら今日を過ごしたい。

 

( 山岡 )

 

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