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第53回 ~温暖化は地球を冷やす!?省エネ対策を見直そうの巻 (2013年12月20日)

ただいま~あ~すっかり冷えちゃった。

おかえり。外は寒そうね。

最近急に寒くなってきたよ。東京でもそのうち雪が降るんじゃないかな。

へ~。

あれ、驚かないの?

だって12月13日にはエジプトで雪が降ったのよ。東京の雪くらいじゃ驚かないわ!

へ~エジプトにも?

そうよ!家も地面も真っ白になっていて、あれだけの雪が降ったのは100年ぶりだそうよ。でも、エジプトにまで雪が降るなんて・・・本当に地球は温暖化しているのかしら。

いや~どうだろうね。地球はむしろ氷期にむかっているという人もいるからね。

えっ氷期?氷期って地球全体が北極や南極のような寒い状態になってしまうことよね?温暖化が進んでいるの?それとも氷期になっているの?

温暖化が進んで地球の平均気温が上がると、北極や南極など世界中の氷が溶けてしまうよね。それによって海水の塩分濃度が変化することが、世界の気候に影響を与えるといわれているんだ。地球の気温は、海水が世界中を巡ることで安定した状態を保たれているんだけど、塩分濃度が変わるとこの海水の循環が弱まってしまい、地球の気温が低下する可能性があるんだ。実際、過去に地球に氷期が訪れた際には、海流の循環が弱まっていたという分析もあるらしいよ。

そうなの。温暖化が地球の気温の下げるなんて、なんだか不思議ね。

まあ、海水の循環の変化だけで氷期がおとずれるかについては懐疑的な見方をする人もいるし、温暖化が加速度的に進めば氷期がこないという考えもあるみたいだし、あくまで一説に過ぎないけどね。

でも、気温が上がるにせよ下がるにせよ、やっぱり温暖化は抑えないといけないってことよね。この温暖化への対策は、第50回で学んだように各国がCOP19でそれぞれ温室効果ガス排出量の削減目標を設けているけど、具体的にはどんなことをしているのかしら?

そうだな。二酸化炭素(CO2)の排出を抑制する対策でみれば、日本では「石油コンビナート高度統合運営技術研究組合」を組織して石油コンビナート内のエネルギー資源の効率化(コンビナート内の工場熱を企業間で融通するなど)を図ったり、バイオマス利用、サルファーフリー燃料使用、クリーンディーゼル車使用などの対応策がとられているよ。

バイオマスは第23回で学んだから覚えているわ!穀物を原料としたバイオペットのことよね。サルファーフリーは第39回で出てきたと思うんだけど・・・確か硫黄分が 10ppm(0.001%)以下のものをそう呼ぶのよね。

そう。軽油やガソリンの硫黄分をサルファーフリー化にする技術を、日本は2005年、世界に先駆けて実現しているんだ。クリーンディーゼル車は、第14回で詳しく話したよね。排出ガス規制の基準に適応する、粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NOX )の排出量が少ないディーゼル車のことさ。

これまで色々勉強してきたことの多くが、温暖化対策につながっていたのね。

環境税の導入なんかもそうだね(第5回参照)。他には、省エネ型の交通インフラや都市づくりの推進なんかもあるんだ。

交通インフラでいえば、ここ最近、公共交通機関の利用や、アイドリングストップやエコドライブを推奨する広告が多いのも、そういう対策の一つなのね。

そうだよ。都市づくりだとヒートアイランド対策やITを活用した施設のエネルギー管理といった取組みがあるし、六本木ヒルズ地区の再開発の際には天然ガスを使った冷暖房システムを導入したりもしているよ。

へ~技術力の高い日本ならではの対策よね。私もこれ以上気温が下がらないように、省エネを心がけるわ!なので、これからおにいちゃんの部屋の暖房は消すわね。使いたい時は環境税を払ってもらうわ。

そんな~!もうリミーには温暖化については語らないことにしよう・・・。
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