雪印メグミルク=汚泥と水素を活用、幌延工場のCO2排出抑制へ
雪印メグミルクは幌延工場(北海道幌延町)に汚泥乾燥機と水素混焼のボイラーを導入し、二酸化炭素(CO2)の排出量を抑制する。同社は21日、新型の汚泥乾燥機を2024年6月に導入し、水素・液化天然ガス(LNG)混焼のボイラーの稼働を2025年度下期から開始すると発表した。乾燥機により年間47トンのCO2削減を見込む。水素とLNGの混焼によるボイラーからのCO2削減量はLNG専焼に比べ約20%減が可能という。 幌延工場に導入するのは、グレンカル・テクノロジーの汚泥乾燥機。排水処理設備から排出される汚泥(脱水汚泥)の量は年346トン。これに対し、新設備導入後の乾燥汚泥の排出量は年123トンの見通し。同工場では乾燥した汚泥の肥料化にも取り組む。汚泥の乾燥では真空乾燥と呼ばれるこれまでの方法の場合、CO2排出量が年93トンだが、新方式の乾燥機では年46トンに半減するとされる。 幌延工場のバターと粉乳の製造で使用する新型ボイラーは、1時間あたりの蒸気発生量が250キロ。燃料の混焼比率は、1時間あたりで水素の10.0ノルマル立法メートル(Nm3)に対し、LNGが12.8Nm3。水素は120Nm3の吸蔵容器2基を交互に使用して、水素製造工場のある豊富町から幌延工場へ輸送する。幌延工場に新設する水素供給設備は、1時間あたりの供給量が10Nm3。 雪印メグミルクは水素混焼のボイラー導入を通じ、エア・ウォーターと戸田工業が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択を受けて豊富町で実施する水素関連の実証事業に水素の品質を評価する協力企業として参画する。 (幌延工場の汚泥乾燥機と水素混焼ボイラー導入、イメージ) 図の出所: 雪印メグミルク 発表資料
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