東京都=水素の25年度第1回試行取引、大型容器の売却価格280円/Nm3
東京都は9日、2025年度第1回の「グリーン水素」試行取引の結果について、売却単価が1ノルマル立方メートル(Nm3)*あたり大型容器で280円、小型容器で355円、購入単価が大型で100円、小型で280円になったと発表した。売却と購入の価格差を都が支援する。入札者数は、供給側が大型容器、小型容器でそれぞれ1者、利用側の大型が2者、小型が3者だった。落札数量は期間中の輸送で大型容器が週2回、小型容器が計6回。大型は「トレーラー」と呼ばれる容器で1基の容量が2,484Nm3。小型容器の「カードル」は263Nm3。昨年12月に入札を実施した初の試行取引では、売却単価が300円(大型・小型容器共通)、購入単価が大型で89円、小型で230円だった。 都はエネルギーの安定供給の確保や脱炭素化に向け、製造段階から二酸化炭素(CO2)を排出しないグリーン水素を重要な一手段と位置づける。試行取引の運営は東京商品取引所が実施した。取引では、売り手と買い手の双方が価格を提示する「ダブルオークション方式」により水素の販売と購入の価格をそれぞれ入札で決定。取引対象は、再生可能エネルギー由来の電力を使用した水電解によって製造され、国際標準化機構が定める規格(ISO14687 Grade-D)に準拠した水素。売買価格の決定を受け、供給者と利用者、輸送事業者は今後、3者間で輸送の調整と契約を行う。都が輸送費用の一部を負担する。7月中から9月末にかけて水素を輸送する予定。 注) ノルマル立方メートル(Nm3): 気温セ氏零度・1気圧の「標準状態」で換算した1立方メートル(m3)のガス量。気圧や温度、湿度の影響を受けない実量を示す
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