LNG=7月31日~8月4日:北東アジア、原発稼働や産業用不振で需要低調
【DES北東アジア】 日本および韓国は原発の稼働率が上昇しているうえ、太陽光発電の出力が好調なため、発電燃料用のガス需要が低迷している。関西電力は7月28日、高浜原子力発電所1号機(出力82万6,000kW)を再稼働した。また、高浜原子力発電所2号機(同82万6,000kW)も9月中旬の再稼働を予定している。関西電力管内では太陽光発電の出力が好調なため、発電燃料用のガス需要が減少するとの見方が強い。加えて「産業用の電力需要が例年を下回っており、発電燃料用のガス需要が弱い」(日本企業)との指摘が寄せられた。日本以外でも「北東アジアの多くの国では産業用のガス需要が低迷しており、供給不足に陥る可能性は低い」(欧エネルギー会社)。韓国の7月の月間輸入数量は6月を約8%下回るとともに、中国も同5%ほど減少した。「欧州で工場の閉鎖が加速しており、欧州向けに機械や部品を輸出する北東アジアの企業は、製品の受注減少に伴いガスの消費量が低下している」(同)という。このなか、タイムスワップの一環として7月26日の入札を通じ9月中旬に関東圏に到着する1カーゴを購入した東京ガスが、1カーゴの追加購入を検討しているもよう。ただ、トレーダー1社は「今回もタイムスワップの可能性がある」とみている。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インド向けでは一定の需要がある。インド国営ガス会社(GAIL)が1日に締め切った米国出しの販売とインド着の買いのスワップ入札が落札された。インド向けは11月7~12日ダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)着と、12月10~19日ダホール基地(同500万トン)着の各1カーゴが対象だった。中東では気温が高めに推移することが予想されており、引き続き発電用の天然ガス需要は旺盛とみられる。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州では、ノルウェーのトロール(Troll)ガス田の定修規模が拡大した。トロールガス田は今月1日から定修に入っているが、定修の箇所が当初予定されていた範囲から拡大されたもよう。これを受けて、ノルウェー産天然ガスの供給量が減少しているようだ。さらに、同ガス田が定修期間の終了を8月中旬から先送りするとの見方も強まっている。実需は鈍いが、天然ガス市況で強材料視された。ブラジルでは、国営ペトロブラスがスポット調達に消極的な様子。市場関係者によると、8月後半から9月前半にブラジルへ入着するカーゴは現時点で見当たらないという。
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