電力=4月14~18日:電力スポットは前週比で続落、需給緩和感の強まりで
4月14~18日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに前週から続落。前週に比べて晴れ間の日が多くなり、太陽光発電が潤沢だったため、日中の価格中心に下押し圧力が強まった。九州では、14日を除き平日ながら複数コマで0.01円を付け、12日には全9エリアで0.01円を付けた。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、14日が2.64円、15日が0.07円、16日が1.09円、17日が0.85円、18日が1.96円の東高西低となった。
4月第3週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは下落。4月17日時点で期近の25年6月着品がmmBtuあたり11ドル台半ばとなり、前週末時点(4月11日)から0.6ドル程度上昇した。欧州の天然ガス相場が堅調に推移したほか、豪州や東南アジアなどの複数プロジェクトで生産障害が発生したことが強材料となった。経済産業省が4月16日に公表した、4月13日時点の発電用LNGの在庫は213万トンとなり、前週と同水準だった。前年4月末時点の218万トン、過去5年平均の214万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、4月17日時点の25年4月積みがトンあたり95ドル台前半となった。前週末時点から0.2ドル程度の小幅高。ガス価格の上昇に連動した。 原油相場は、4月18日午前時点でWTIの25年5月物がバレルあたり64ドル台半ば、ブレントの25年6月物が67ドル台後半の水準。前週末時点から、WTIおよびブレントともに3ドル程度の上昇となった。米中の貿易戦争を背景とした世界経済に対する過度な懸念が後退したほか、イラン産の供給減少観測などが強材料となった。米財務省は16日、イラン産原油を購入している中国の独立系製油所1社を制裁対象に加えたうえ、イラン産原油の輸送に関与したとされる複数のタンカーなどにも制裁を科した。
週を通じた実勢高値は、15日に西日本で付けた17.58円となった。一方、実勢安値は0.01円となり、15日に九州で、16日に北海道、東北、四国、九州、システムプライス(SP)で、17日に全9エリアとSPで、18日に九州でそれぞれ付けた。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で2.18円安の8.95円、東北が同2.18円安の9.07円、東京が同1.96円安の10.59円、中部が同0.52円安の9.72円、北陸が同0.73円安の9.51円、関西と中国が同0.56円安の9.47円、四国が同0.23円安の9.26円、九州が同0.17円安の8.53円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から1.8%減の11億814万7,560kWh、買い札が同1.5%減の8億6,178万2,950kWhとなった。約定量の週間平均は、同0.9%増の7億758万440kWhだった。
4月14~18日の9エリアの電力需要は、106億521万7,000kWhとなり、前週4月7~11日の106億1,964万4,000kWhから0.1%減少した。曜日を合わせた前年の4月15~19日の需要実績は102億8,724万5,000kWhで、増加率は3.1%となった。
4月14~18日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
4月14~18日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
4月第4週の電力スポットも、上値の重い展開が続く見通し。関東以西の最高気温は、週を通じて25度前後が続く見通しで、冷暖房ともに低調となる見込み。天気は、週半ばに崩れる見通しだが、晴れ間の日が多くなるため、一定の太陽光発電が見込まれる。このため、気象動向が弱材料になるとみられ、西日本中心に0.01円を付ける日も多くなりそうだ。市場関係者からは、「ベースは東日本で10~11円、西日本は10円未満で推移するとみている」(新電力の需給担当者)との見通しが示された。ただ、定期点検などで停止する火力発電が増え、予備力は低下しているため、設備トラブルなどが発生した場合、思わぬ高値を付ける可能性はある。
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