アジア石油製品=7月3~7日:0.05%S軽油、ベトナムからの買い気が旺盛
ガソリン 需給緩和で精製マージンが縮小 北東アジア積み92RONガソリン(MR船型)の市況連動相場は前週と同値で推移した。需給が緩む傾向にあり、精製マージンが急速に縮小している。週の中ころには、ドバイ原油に対するガソリンの精製マージンは7.00ドル台にまで縮小した。北東アジアで製油所の定修明けが進み、供給が増えている一方で、東南アジアの需要は強さを欠いている。既報のとおり、韓国では7月までに製油所の定修が一段落する予定で、8月以降に輸出が増える見通し。
ナフサ アジア高に転じるも小幅な価格差 日本着オープンスペック・ナフサの市況連動相場は、カーゴ到着30日前評価で日本市況に対し1.00~2.00ドルのプレミアムで推移している。北東アジア域内で市況に大きな変動はみられず、軟調に推移している。エチレンやプロピレンの引き合いが旺盛ではなく、ナフサクラッカーの稼働率を低く保っている石化メーカーが多い。 アジアと北西ヨーロッパ(NWE)のナフサの価格差はここ1週間でわずかにアジア高へ転じた。しかし、欧州からアジアへアーブ品が積極的に輸送される環境ではない。フレートを考慮すると30~40ドルのアジア高にまで格差が開く必要があるとの見方が多い。
中間 ジェット燃料、0.001%S軽油とも8月積み品は薄商い 北東アジア積みジェット燃料(MR船型)の市況連動相場は1週間を通じて同値で推移した。8月積みの商談時期に移行した。輸出計画を策定中の石油会社が大半で、商いは閑散とした。台湾中油(CPC)は現段階で販売する意思がないと伝えられた。 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場はもち合った。売りは本格化せず。韓国の製油所では今月中旬までに定期修理が一巡するため、一定量の供給がある見通し。需要面では豪州勢が装置不調を背景に、8月積みとしてアジア品の買いを検討している点が強材料として挙げられた。 北東アジア積み0.05%S軽油(MR船型)市場では、ベトナム勢の買い気が旺盛だ。同国ではニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(NSRP)のニソン製油所(日量20万バレル)が8月下旬~10月下旬まで定期修理を計画している。定期修理に伴う国内供給減が調達の要因。
重油 発電用LSFOの基調強まる 日本着0.3%S重油(MR船型)の市況連動相場は前週と同水準で推移した。ただし、夏場の需要期を迎えており、相場の基調は強まっている。具体的な商談は聞かれないものの、一部の市場関係者は、「北東アジア域内で発電用重油を物色する動きが出る可能性がある」との見方を伝えている。韓国のS-オイルが、クウェートのアルズール製油所(日量61万5,000バレル)積み2万トンの低硫黄重油を購入したもようだ。S-オイルは、オンサン製油所の残渣油流動接触分解装置(RFCC)の拡張工事を実施。処理能力が日量6,000バレルほど増加したようだ。このため原料となる低硫黄重油の調達を今後増やすとの観測も出ている。 京浜のVLSFO相場は、7月5日に618.50ドルと6月28日時点から2.00ドル上昇した。シンガポール0.5%S重油先物高を受けた。出光興産千葉製油所は、引き続き供給制限を行っており、15日以前のオーダーはENEOSに集中している。
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