中国=ABS市況が堅調に推移
中国のABS市場は、2020年上半期は自動車など多くの誘導品を使用するメーカーが工場の稼働を停止していたため、需要が振るわない状況となった。しかし、6月に中国政府が電動バイクを利用する際、ヘルメットの着用を義務付けたことにより、以後、ヘルメット向けの需要が活発となった。また、新型コロナウイルスの感染が世界中で広まるなか、テレワークを実施する企業が増え、7月以降はノート型パソコンなど家電向けのABS需要も堅調となった。一方、ABSメーカーの在庫が低く、輸入量も少ないため、供給タイト感が強まった。足元ではABSメーカーの稼働率は80~90%程度で維持されているという。誘導品では、輸出向けの需要が増えているうえ、家電メーカーの製品在庫が低い状況が続いている。
先行きの相場については、これまで上げ基調を続けてきた結果、需要家が高値警戒感から買いを控える可能性がある。しかし、需給に引き締まり感があるため、長期的に相場は堅調に推移すると見られている。
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