中国=混合アロマに消費税課税、トルエンやMXの輸入増観測台頭
中国財政部、海関総署などは12日、6月12日から混合アロマおよび分解軽油(LCO)に対し消費税の徴収を開始すると発表した。この発表を受けて、トルエンとキシレン相場は一時強基調に推移する場面がみられた。
混合アロマの成分には主にトルエン、C8、C9が含まれ、ガソリンのオクタン価を向上させる基材としても用いられる。混合アロマの輸入量は2019年1~3月期に616万トン、21年1~3月期に172万トンとなっている。消費税の課税により、混合アロマのコスト上昇が見込まれるため、トルエンやキシレンへの切替え需要が増え、これらの価格が押し上げられた。
しかし、トルエンとキシレンの価格が上昇し、ガソリンとの格差が縮小したため、相場がさらに上値を追うのは難しいとの見方が多い。
一方、消費税を課税することによって混合アロマの輸入量が減ると見られる。このため、ガソリン向けとしてトルエン、キシレンの国内品の消費が増加する見通し。また、長期的には芳香族製品の輸入構造に変化が出る可能性もある。輸入消費税を課税するのは、200度以下で蒸留された芳香族炭化水素が対象。このため、海外メーカーは、トルエン、キシレン、ベンゼンなどに加工し、中国へ輸出する可能性がある。この場合、国内のトルエン、キシレンの価格に影響が出ると見られる。これに備え、国内メーカーはトルエン、キシレンをガソリンに使用し、外販量を減らすことも考えられる。この結果、国内で流通するトルエン、キシレンの数量が減るため、輸入量を増やすとの見方もある。