中国=ポリエチレン市場の下半期の見通し
中国のポリエチレン(PE)市場は、強弱まちまちの材料が見られ、今年下半期の相場は不透明な状況だ。
上半期は、原油市況が2月の旧正月以降に上げ基調となったほか、同月に発生した寒波の影響で、米国ではPE供給に不足が生じていた。これらを背景に、3月初旬の中国のPE相場はここ3年間で最高値となった。4月以降は強材料が見られず、相場は下げ局面に転じたが、6月に入ると輸入品が減少し、石化メーカーが工場出し価格を引き上げるなどしたため、再び相場は支えられた。
下半期については、原油およびナフサ市況が堅調に推移していることが強材料視されている。供給面では、今年だけで国内で計11社が新設備を増設する。上半期にすでに150万トン規模の設備が稼働開始しており、下半期にも425万トン規模が立ち上がる予定。これらの設備は7~9月に、華東、河北、西北など広い地域で稼働が始まる。このため国内のPE供給は増える傾向にある。
輸入品では、中東で設備が下半期に定修明けする見通しであるため、海外からの供給が回復しそうだ。一方、東南アジアおよびインドなどでは新型コロナウイルスが引き続き深刻なため、需要が乏しい。こうした状況下、中国の輸入が増えると見られている。
一方、8月以降に中国では需要期に入る見通し。また、誘導品設備の稼働率が今後、上昇する可能性がある。ただ、11月以降は環境保護問題の台頭、人民元やフレート高の影響で需要が弱含むと見られている。
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