インドネシア政府はこのほど、予定していたバイオ基材混合比率40%のバイオディーゼル燃料(B40)の年内導入を断念したようだ。現在の混合比率は30%(B30)。同政府が、B30からB40への切り替えは国民生活を圧迫する要因になると判断した可能性がある。B40導入は、事実上、無期延期されたとの見方が広がっている。
同国では国内の陸上輸送用ディーゼル燃料はバイオ基材を混ぜることが義務付けられており、元々は今年半ばに混合比率を40%に引き上げる計画だった。
足元では燃料需要は急速に回復しているものの、パーム油(CPO)市況の高騰が続いており、B40の製造コストが当初の見積もりを大きく上回っている。CPOの国際市況は10月中旬時点で前年の同じ時期より73%も高いトン当たり5,160マレーシアリンギッド(1,237米ドル)まで上昇している。インドネシアの市場関係者は、2022年もB40が導入されることは期待薄としている。
ただ、インドネシアでバイオディーゼル燃料は主要燃料の1つとして順調に定着している。B30取り扱いの給油所は今年10~12月期までに5,518カ所まで増えた。また、バイオディーゼル燃料の主要生産者である国営石油ガス会社プルタミナの2020年バイオディーゼル出荷は1,330万klとなったもようだ。
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