市場関係者によると、中国の11月のガソリンと軽油の輸出計画が立て続けに発表された。ガソリンの輸出計画は77万トンで、前月比では7.84%と小幅に上昇、前年同月比では38.72%減少となった。各輸出業者が軽油の輸出を停止したことが影響しているという。
複数の要因が重なり、中国全土で軽油の供給がひっ迫している。一部の地域では、軽油不足による販売制限や販売中止が見受けられる。供給量拡大に向け、中国発展改革委員会(NDRC)国家エネルギー局は、ペトロチャイナと中国石油化工(シノペック)に対し、石油製品の供給量を増やすよう要請した。また、原油輸入量を増やし、製油所の稼働率を引き上げように指示。得率の調整と軽油の輸出停止も求めた。ほかに、国家食糧戦略備蓄管理局は石油製品の備蓄を切り替え、ガソリンと軽油を市場に放出し、供給を増やしている。
主要製油所のフル稼働による石油製品の増産や国家備蓄の放出により、軽油の供給ひっ迫は緩和される見込み。安定供給と価格を維持するため、軽油の輸出は年末まで停止されるとみられる。いまのところ、2022年1~3月期には軽油の需給バランスが回復し、輸出が再開される可能性がある。
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